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SUPER GT 2017年シーズン開幕、au TOM'Sは5位フィニッシュ

ピットアウト直後はトップに躍り出るもコースオフ

 4月8~9日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで、SUPER GTの2017年シーズン開幕戦が行われた。昨年からauがメインスポンサーとなっている36号車「LEXUS TEAM au TOM's」は体制を一新。昨年、ドライバーだった伊藤大輔がチーム監督に就任し、ドライバーには中嶋一貴とジェームス・ロシターを迎えることとなった。

 今シーズン、GT500クラスでは、新たなレギュレーションに沿った新型車両が投入されている。LEXUS陣営は、今年春発売の「LC500」をベースとした新型車両で参戦している。開幕前のテストでは他の陣営を寄せ付けない走りを見せていた。

au TOM'S LC500

 4月8日に行われた開幕戦の予選では、Q1においてジェームス・ロシターのau TOM's LC500 36号車が8番手でQ2進出を果たした。しかし、Q2では、わずかに降り始めた雨のなか、中嶋一貴が最終コーナー手前でコースバリアにヒット。赤旗中断となってしまう。それまで6番手のタイムをつけていたが、赤旗の原因を作ったことで、タイムが抹消され、決勝は8番グリッドからのスタートとなった。

 赤旗などで混乱する中、ポールポジションは、NSX-GTを操るAUTOBACS RACING TEAM AGURIが獲得。冬季テストで絶好調だったLEXUS陣営が肩を落とす結果となった。

決勝直前にピットガレージ前で話し合うチーム関係者
「au Circuit Queen」のコスチュームも新しくなった

 4月9日の決勝は波乱のスタートで幕を開けた。SUPER GTでは、地元警察が白バイでサーキットを1周回り、交通安全を啓蒙する「パレードラップ」という時間が設けられているのだが、その最中から、ホンダNSX-GT陣営に次々とトラブルが起き、スローダウンしていくという珍事が発生した。ポールポジションだったNSX-GT 8号車もスローダウンし、赤旗となり、セーフティーカー先導でのスタートになったのだった。

 そんな中、LEXUS陣営での激しいバトルが繰り広げられた。3周目、2位を走行する37号車のニック・キャシディが、ヘアピンの進入でハードブレーキングし、インに飛び込み、6号車の大嶋和也を抜き去った。

 5周目にセーフティーカーが入り、12周目にレースが再開されると、6位を走っていたロシターの36号車はライバルをかわして5位に浮上。さらにロシターは16周目に19号車の関口雄飛をパス、3位にまで後退していた6号車の大嶋も抜くことができた。

 その後、各車はピットに入り、給油とタイヤ交換、ドライバーが交代した。上位勢では最後にピットインした36号車は、ピットアウト後には1位に浮上。ロシターから交代した中嶋一貴は、タイヤが温まった37号車にパスされるものの、6号車のカルダレッリと激しい2位争いを演じていたが、バックストレートからヘアピンの進入で、止まりきれずにコースアウト。なんとかコースに復帰したが、順位は5位まで落とすこととなった。その後、4位までは接戦が繰り広げられていたが、コースアウトの影響もあってか、中嶋はペースが追いつかず、最終的には5位でフィニッシュ。9ポイントを獲得した。

 結局、81周で行われたレースは37号車、KeePer TOM's LC500が優勝。37号車のニック・キャシディは、昨年はau TOM'sに在籍していたドライバーで、これがSUPER GT初優勝となる。

 GT500クラスは、上位6位までをLEXUS勢が独占する結果となり、ニッサン、ホンダ勢との力の差を証明したことになる。一方で、LEXUS勢の中では接戦となっており、au TOM'sとしては、いかにLEXUS勢のなかで、チャンスをものにしていくかが鍵となっていきそうだ。

 次戦は5月3~4日、静岡県の富士スピードウェイで開催される。au TOM'sでは、中嶋一貴が海外レースに出場するため、監督の伊藤大輔が代走する。