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学割×ポイント×SUPER FRIDAYで「体験価値」提供を目指すソフトバンク

 ソフトバンクは、2017年の春商戦に向けた新たな取り組みとして、18歳以下を対象にした学割、「SUPER FRIDAY」第2弾、Yahoo!ショッピングでのポイント割増といったキャンペーンを発表した。

 16日に開催された説明会では、2016年に実施したSUPER FRIDAY第1弾の結果や、今回のキャンペーンの狙いなどが語られた。

SUPER FRIDAYのクーポン発行数は1200万件

 もともと「SUPER FRIDAY」は、2016年でモバイル事業へ参入してから10年経ったことを記念し、ユーザーへ感謝を示すという題目で実施されたキャンペーン。説明を行ったソフトバンク プロダクト&マーケティング統括 モバイル事業推進本部長の菅野圭吾氏は、そのクーポンの利用数が1200万件に達したと説明。

 「多くの方に利用してもらい店頭に行列ができてご迷惑をかけた部分があるかもしれない」としつつ、ユーザーからは楽しんだという声が寄せられたとして、SNSでも10万件の好意的なツイートが投稿されたこと、小学生の女の子から応援メッセージが届いたことなどを紹介する。また送客先の店舗では、具体的な数値は伏せたままながら無料の品をもらうだけでは追加購入に繋がったケースは発生しており、パートナー企業からは喜んでもらっていると説明した。

 なお、第3弾を実施するかどうかは未定。

ワイモバイルとは体験で差別化

 これまで、日本の他社に先駆けて、2016年末に学割キャンペーンを発表していたソフトバンクだが、auが2980円の学割価格を前週に発表。今回「SUPER STUDENT」として打ち出すキャンペーンでは、auの価格への対抗策であることをにじませる。また価格面だけではなく、先述した「SUPER FRIDAY」では、学生であればもらえるプレゼントの数が倍になっており、他社との違いも見せる。

 一方で、サブブランドのワイモバイルでは、1年間1980円といった価格を展開している。ソフトバンクブランドでも安価さで競争することは、ワイモバイルとも競合する可能性が出てくるが、菅野氏は「ワイモバイルはワンキュッパ(1980円)を常に提供するブランド」と述べ、価格面での価値を追求すると説明する。一方のソフトバンクは、SUPER FRIDAYや、Yahoo!ショッピングでのポイント割増を組み合わせるなど、体験価値を提供する方針とした。

「日本で一番お得になることを目指す」

 ヤフーの宮坂学社長も今回の発表会に登壇し、Yahoo!ショッピングでのポイント割増の狙いを説明。2013年10月に実施した毎月の出店料および売上ロイヤリティを無料化した結果、2016年9月には、出店数が2万件→45万件と22倍に成長。商品数も約3倍の2.3億点になり、商品数・出店数ともに、日本最大のショッピングモールに成長したと胸を張る。その上で、今回のキャンペーンを通じて、「日本で一番お得になることに挑戦する」と意気込んだ。

説明を行ったソフトバンク プロダクト&マーケティング統括 モバイル事業推進本部長の菅野圭吾氏と、ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏

 とはいえ、付与されるポイントは、利用できる期間や場が限られたもの。一方で、国内での存在感を日々増しているAmazon.co.jpが「Dashボタン」を提供するなど、新たな取り組みを行っている。これにヤフー執行役員でショッピングカンパニー長の小澤隆生氏は「ユーザーアンケートでは、『どうすればもっとECを使いたいと思うか』という質問に、品揃えと価格という回答が挙げられる。今回は品揃えが揃ったところにお得感を提供するという王道の取り組み」と前置きしつつ、「もっと楽に注文したい。Eコマースはわかりづらいという声もある」と述べ、ソフトバンクグループとしてEコマースに取り組む際、使いやすさや利便性のほか「音声での注文を強く意識している」と今度の展開を期待させるコメントを述べていた。

ソフトバンクの菅野氏(左)とヤフーの小澤氏(右)