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「音楽ならどこにも負けないスマホを作りたい」~「isai Beat」の開発背景

LGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーションチーム 課長の金 希哲(キム・ヒチョル)氏

 LGエレクトロニクス・ジャパンは、auの2016年冬モデルとして登場したAndroidスマートフォン「isai Beat LGV34」の製品説明会を実施した。同社モバイルコミュニケーションチーム 課長の金 希哲(キム・ヒチョル)氏より、企画背景が紹介された。

 「isai Beat LGV34」は、5.2インチディスプレイ搭載のスマートフォン。グローバルで提供している「LG V20」の兄弟機に当たる。デュアルレンズ構成のカメラやサブスクリーンなどの特徴もあるが、最も力を入れているのは「音楽」だという。

ユーザーの“こだわり視点”への回帰

 2011年にiPhoneが登場して以来、スマートフォンが席巻するようになった携帯電話市場。金氏は、2016年のスマートフォンを性能の進化によって、どの機種を選んでも同じように使える“優等生”になったと形容する。その証左として、ここ2~3年のスマートフォンの購入重視点が、ほとんど変化していないことを指摘した。

 一方で、スマートフォン以前の2007年には、携帯電話を“こだわり”をもって選び、自分のセンスを示すものだと思っている人が多かったと紹介。そこから、isai Beatはスペックの比較ではなく、ユーザーの“こだわり視点”に回帰したフラッグシップモデルを作るという出発点を紹介した。

「音楽はどこにも負けないスマホを作りたい」

 “こだわり”という視点に、ユーザーのニーズ、LGのできることを組み合わせた結論として「ミュージック・ハイエンド・スマートフォン」というコンセプトを導き出したと紹介。

 「isai Beat」では技術上の取り組みとして、ESS製のクアッドDAC「ES9218」を搭載している。4つのコアを持つDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)で、従来のシングルDAC搭載機より50%のノイズを低減した、クリアな音で視聴できる。

 音楽再生時のチューニングは音響機器ブランドのB&O(バング&オルフセン)とコラボレーション。従来から対応していたハイレゾも、新たにDSD形式の再生が可能となった。ハードウェアとソフトウェアの両面から、音楽にこだわったスマートフォンが「isai Beat」だと紹介した。

“isaiらしさ”は?

 isaiiブランドを名乗りつつも、前モデル形状モデルからが大きく変わったisai Beat。記者から「“isaiらしさ”はどこに現れているのか」と聞かれた金氏は、「isaiブランドの始まり」について説明した。

 「isai」は、KDDIとLGが共同開発したスマートフォンに名付けられるブランド。初代isai LGL22では、それまでの携帯電話にはあまりなかったカラー「アクア」をラインナップ。ホーム画面などのUIも、今までのスマートフォンとは少し違っていた。

 しかし、金氏は「isaiは“異才”、本当の始まりは“何か違うことをする”ことから始まったブランドだった」と説明。この「何か違うことをする」が、isai Beatでは音楽という形で現れているとした。