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沖縄セルラーが家庭向け水耕栽培キット「やさい物語」

2月中旬発売、初回5000台は2万9800円

 沖縄セルラーは、家庭用IoT水耕栽培キット「やさい物語」を2月下旬に発売する。価格は3万4800円(税抜、以下同)。初回5000台は2万9800円で提供される。12月中旬より予約を受け付ける。

 同社の直販サイト「沖縄特産品本舗」を中心に、オンラインストアで日本全国に向けて販売する。オンラインストアでは、12月中旬より購入予約を受け付ける。沖縄地区のauショップでも販売される予定。

 「やさい物語」は、リビングなどで葉物野菜やハーブなどを栽培できるキット。土を使わない水耕栽培で、手間をかけずに栽培できる。iOS/Androidアプリでは、育てている野菜に名前を付けて成長の様子を見守れる。

「やさい物語」で収穫できるレタス

 居住空間に溶け込むデザインで、蓋つきの半密閉タイプ。室内に土を入れることなく、無農薬の野菜を栽培できる。照明用のLEDは点灯時間を自動で制御し、夜間は消灯する。レタスなら種まきから収穫まで約1カ月程度。味はえぐみや苦みが少なく、子どもでも食べやすいとしている。

 初回購入時には、栽培に利用するスポンジ(苗床)と液体肥料とレタスの種の栽培セット一式が2~3回分付属する。追加のスポンジや肥料は、3カ月分で1000円程度で購入できる。

 本体に内部の様子を撮影するカメラを搭載。栽培している植物を1日3回撮影して、クラウドストレージに自動でアップロードする。アプリでは、写真や気温や湿度の推移グラフを確認できる。気温の異常が続いたり、給水するタイミングになると、アプリ通知によって知らせる。また、LEDの点灯間隔の制御などの設定もアプリから行う。

 葉物野菜ならほとんどの品種が栽培できるが、レタスやベビーリーフが推奨されている。沖縄セルラーが試験栽培によって確認した「栽培しやすい品種」の情報が、順次ユーザーに提供される。クラウドストレージへの接続はWi-Fiで、スマートフォンとはBluetoothによって連携する。アプリはauユーザー以外も無料で利用できる。大きさは約480×332×331mm。

製品版の外装には、シルバーの塗装がほどこされる予定

通信会社が野菜工場、沖縄セルラーの取り組み

 沖縄県でauサービスを展開する沖縄セルラーだが、社内ベンチャー制度の一環として、2014年から野菜工場を試験運営している。夏の高温や台風で路地栽培ができない沖縄で、葉物野菜を安定して供給できるようにしようと事業に着手した。工場で生産された野菜は、実際に地元のスーパーにて、100g200円程度で販売されているという。

左から、KDDI研究所 クラウドプラットフォームグループ 研究主査の斉藤和広氏、沖縄セルラー 執行役員 ビジネス開発部長の國吉博樹氏、沖縄セルラー ビジネス開発部で植物工場プロジェクトリーダーを務める加賀武史氏

 こうした野菜工場運営のノウハウと、通信会社のノウハウを組み合わせたのが「やさい物語」。野菜が成長していく様子を記録できるようにして、家族との会話のきっかけとなる製品を目指した。クラウドとの通信機能の開発には、KDDI総合研究所が協力している。

沖縄セルラーが運営する野菜工場