ニュース

Moto ZやTangoなどSIMフリー端末を急拡大するレノボ・モトローラ

 レノボ・ジャパンとモトローラ・モビリティ・ジャパンは共同で、Android搭載のSIMロックフリー端末3機種「Moto Z」「Moto Z Play」「PHAB2 Pro」と、2in1タブレット「YOGA BOOK」を日本市場に投入する発表会を9月27日に開催した。

 いずれもグローバルで一足先に発表されていたモデルだが、SIMロックフリーでメーカーが販売する端末として日本市場に投入される。スマートフォンは高価格帯の旗艦モデルを含み、オプションの「Moto Mods」シリーズもほとんどがラインナップされるなど、日本市場への意気込みが感じられる発表会になった。

 MotorolaブランドのAndroidスマートフォン「Moto Z」および「Moto Z Play」、背面合体パーツの「Moto Mods」シリーズについては、別記事にてニュースを掲載している。またLenovoブランドのファブレット「PHAB2 Pro」について2in1タブレット「YOGA BOOK」についても同様に、それぞれニュース記事を掲載している。

「motoストア」をオープン「Moto Z」などを販売へ

 発表会ではモトローラの端末について、モトローラ・モビリティ・ジャパン代表取締役社長のダニー・アダモポーロス氏が登壇し、「Moto Z」「Moto Z Play」「Moto Mods」シリーズについて紹介を行った。

 「Moto Z」については「世界最薄のボディだがボディは金属製、丈夫で曲がらない」とフレームになっている金属パーツを取り出して頑強さをアピール。microSDカードは最大2TBまで利用できることや、15分間の急速充電で8時間の利用が可能といった特徴を解説した。

 「Moto Z Play」はバッテリーとカメラの強化といった特徴を挙げ、両モデルの比較表も紹介。「Moto Mods」シリーズも次々に紹介し、グローバルで発表したさまざまなモデルがほとんど日本市場にも投入されることを示した。

 アダモポーロス氏はまた、今回発表の「Moto Z」などの端末は、従来の販売チャネルだけでなく、モトローラ直販サイト「motoストア」を新規にオープンして販売することも明らかにした。

Tango対応端末「PHAB2 Pro」は「普通のスマホであることが大切」

 続いてレノボ・グループ グローバル本社 Android&Chromeコンピューティング マーケティングディレクターのアンジャナ・スリニバサン氏が登壇し、立体認識のTangoに対応した「PHAB2 Pro」を解説した。

 同氏は、Tangoの技術は「GPSのように、あって当たり前の技術になって欲しい」とする。そのために、Tangoに初めて対応した「PHAB2 Pro」にも、ディスプレイ品質、カメラ性能、オーディオなどにこだわり、スマートフォンや電話としての当たり前の機能を高いレベルで搭載したことを示す。「(Tangoが)普及していくには、毎日使うデバイスに搭載される必要がある。たくさんの人に使って欲しいと思っている」(スリニバサン氏)。

 スリニバサン氏はTangoアプリの具体例として、家具の設置シミュレーションや、ブロックだけ画面上に表示するドミノゲーム、恐竜を実物大で見られるアプリなどを動画とともに紹介。さらに動画にて、「塊魂」などを手掛けたゲームデザイナーの高橋慶太氏が自ら紹介する「Woolrd」を披露し、日本のユーザーにとっても興味深いアプリがあることを示した。

 同氏は、Tangoアプリの発展にはエコシステムが重要とした上で、「来年には数百のTangoアプリが提供されているのではないか」と自信をみせ、Tangoアプリを開発しているさまざまな開発者やメーカーを一覧で示した。この中には家具や印刷、観光などの日本企業の名前も挙がっていた。

 スリニバサン氏からはこのほか、同氏が担当する「YOGA BOOK」についても紹介された。こちらはスマートフォンなどとはうって変わって「生産性向上」に寄与するものとするが、ビジネス寄りの話ではなく、大学生などの“タッチ・ジェネレーション”と呼ぶ世代をターゲットに開発したことを明らかにした。こうした世代や学生は、タブレットやスマートフォンを一日中活用しているとし、ペンによる入力、さらに紙とインクのメモもカバーする、“エクセルとパワーポイント以外にも使える”端末で、授業から遊びまでさまざまに活用できるとした。

 最後に登壇したレノボ・ジャパン 代表取締役社長の留目真伸氏は、モトローラを含めたレノボ・グループの取り組みに触れた。

 「単純に、スマートフォンやタブレット、PCのシェアを拡大しようとビジネスをしている訳ではない」と切り出す同氏は、IT技術が発展している現在でも、人々の生活に“コンピューティングパワー”はまだまだ十分には普及していないと指摘する。

 コネクテッドデバイス+クラウド、という組み合わせで、コンピューティングの世界が新しい時代を迎えるとし、レノボ・グループがサーバーからPC、スマホまで「業界随一のラインナップ」を取り揃え、共創でパートナー企業とともにIoTの世界を実現していくと、意気込みを語った。

 同氏からは最後に、10月に開催されるCEATECにレノボ・グループとしてブースを出展することも紹介された。