【Mobile World Congress 2013】

単4電池がBluetooth対応の単3電池に、Bluetooth製品がずらり

 Mobile World Congressでは、周辺で開催されるプレスイベントも盛況だ。Bluetoothやqi、ハプティック技術といった日本でもお馴染みのテクノロジーが紹介されていた。

Bluetooth

 Bluetooth SIGでは、乾電池型のBluetoothアダプタ「Tethercell」を紹介していた。Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)に対応した「Tethercell」は、単4電池対応の単3電池サイズのアダプター。Bluetooth LEによって、単3電池を使う機器に遠隔操作でON/OFFする機能が盛り込める。電池の残量切れもわかるという。

 操作はスマートフォンのアプリで行い、会場のデモンストレーションでは、スマートフォンのアプリで遠隔地の照明をON/OFFする様子が紹介された。説明員によれば、子供のおもちゃなどにもオススメの使い方があるとし、いつまでも遊ぶのをやめない子供に対して遠隔操作でおもちゃの電源を切ってしまうのが有効という。

 また、ヘルスケア分野の展示も行われており、Bluetooth対応の喘息の吸入器が紹介されていた。「Asthmapolis」と呼ばれるこの製品は、吸入器を使用するとiPhoneアプリに記録が残り、iPhone側で位置情報などとともに管理される。このデータを医師に渡すことで、自己管理だけでなく医師側の薬の処方などにも活用できるという。

 Bluetooth対応ヘッドセットなどを提供するJabraでは、音楽カテゴリの製品として、「2013 International CES」でも紹介していたヘッドフォン「Jabra Revo Wireless」を展示していた。ドルビーと提携し、専用アプリでこれまでよりも高い音質で再生可能という。デモでは、NFCを使ってBluetoothのペアリングを行い、Dolby Digital Plusの音質が体験できた

 Bluetoothをコントローラーとして使うことで、球体を操作する「sphero」のデモンストレーションでは、操作するタブレット端末でゲームがプレイできた。このほか、ZAGGでは、iPhone用のBluetoothゲームパッドなどを披露していた。

その他

 国内では「おくだけ充電」の名前で知られるワイヤレス給電の「qi」は、NTTドコモの対応端末などを紹介していた。担当者はトヨタ車の事例として、車のダッシュボード部分にqiを仕込み、運転中に気軽に充電できる仕組みをアピールしていた。

 タッチディスプレイに触感を与える技術として、国内向けのスマートフォンやタブレット端末でも採用されているImmersionのハプティック技術では、HDハプティックによるデモを行っていた。今回は絵文字に連動した振動を指先に伝えるデモを実施していた。メッセンジャーなどで相手が猫の絵文字を送ると、伝えられた側の指先には猫の鳴き声「ニャーゴ」に近い振動が伝えられる。

 このほか、魚眼、マクロ、ワイドのレンズが一体化したiPhone向けのアタッチメントレンズ「olloclip」などもユーザーの関心を寄せていた。カメラ関連の技術展示では、DigitalOpticsがMEMSアクチュエーターと呼ばれるマイクロマシンレンズを紹介。担当者は一般的なモバイル機器のレンズよりも省電力と話していた。

津田 啓夢