【IFA2016】

「Xperia XZ」「Xperia X Compact」担当者インタビュー

ソニーモバイルが考える「Xperia」の世界観

Xperia XZ
Xperia X Compact

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、ドイツ・ベルリンで開催中のIFAに合わせ、「Xperia XZ」「Xperia X Compact」の2機種を発表した。

 また、2月にスペイン・バルセロナで発表していたスマートプロダクトの進捗状況も披露。耳に装着し、スマートフォンを音声でコントールする「Xperia Ear」を11月以降に発売すると発表した。

 超短焦点プロジェクターの「Xperia Projector」にはAndroidが採用され、Yahoo! JAPANとのコラボレーションも行っていく。家庭用のエージェント端末「Xperia Agent」は、ネスレ日本と連携。ユーザーの好みを学習し、コーヒーを自動で入れられる仕組みをIFAで公開している。

Xperia ProjectorはAndroidを採用
Xperia Agentはネスレ日本と共同で利用シーンを打ち出した

 では、スマートフォン、スマートプロダクトの両Xperiaは、どのようなコンセプトで開発されたのか。新たに搭載された機能の詳細なども合わせ、ソニーモバイル プロダクトビジネスグループ 商品企画部門 UX商品企画1部 統括部長 野村泰晴氏と、スマートプロダクト部門 副部門長 伊藤博史氏の2人が、報道陣からの質問に答えた。

スマートフォンについて回答した野村氏
伊藤氏はスマートプロダクト担当になった

――2月に「Xperia X Performance」が発表されましたが、あちらも機能的には最上位と言えるものです。一方でXperia XZもフラッグシップと呼んでいますが、ラインナップのかぶりはないのでしょうか。

野村氏
 「Xperia X」を出すとき、地域やオペレーター(キャリア)の要求があり、2つに分け、「X」と「X Performance」を導入しました。今回は、「XZ」として、その上にくるフラッグシップです。パネル(ディスプレイ)のサイズも大きかったり、トリプルセンシングテクノロジーを搭載したりと、従来機に対して上位機種であるという位置づけになります。

 ただ、X PerformanceとXZという上位機種は、プラットフォームなどがかぶっているところは確かにあり、誤解を生んでしまったかもしれません。また、Xperiaはブランドを再定義して、「X」を使いましたが、X Performanceがあったために、「Xperia Z」シリーズからの置き換えとも捉えられてしまい、その反省もあります。

 一方で、このタイミングでXperia XZを導入でき、Xの中にも「XA」からXZまでの3段階があることを、ご説明できたのではないかと思います。X Performanceはあくまでパフォーマンスを求める地域向けのもの(派生機種)で、Xの高付加価値版という位置づけですが、それに対してXZは設計段階から大きなサイズが前提でした。

Xperia Xシリーズの位置づけ

――コンパクトシリーズは、今までフラッグシップとほぼ同じスペックの小型版という位置づけでした。一方で、今回のXperia X Compactは、Xperia Xの派生機で、チップセットも「Snapdragon 650」です。このコンセプトは、変わったのでしょうか。

野村氏
 最高の体験をコンパクトサイズでお届けするという点は同じで、今回もカメラであれば、XZと同じトリプルイメージセンシングや、インテリジェントな機能(先読みオートフォーカスなど)はしっかり搭載しています。逆に、CPUがこうでなければいけないというような線の引き方はしていません。

――充電速度をユーザーの生活パターンで変えるという機能がありますが、たまたま早起きする日もあると思います。このような場合だと、充電が終わっていないということもあるのでしょうか。

野村氏
 バッテリーケアは、作動中にアイコンが出るようになっています。これは、お客さんが通常7時に電源を抜く場合、7時直前に100%になるようにするという機能です。ですから、逆に5時や6時に電源を抜いてしまうと、100%にはなりません。そのようなときは、ステータスバーから(バッテリーケアを)外していただければと思います。

ユーザーの行動を学習して、充電の最適化を図る

――アラームをセットした時間と連動させて、早起きしそうなときは先回りして充電しておくこともできると思いますが。

野村氏
 アラームを止めてそのまま充電している人もいるので、バッテリーケアで見ているのは、充電する時間と充電を止める時間の生活パターンになります。

――動画の手ぶれ補正が5軸になりましたが、それ以上のものはないのでしょうか。

野村氏
 ソニーのなかでは空間手ぶれ補正があり、新しく出たアクションカムにも搭載しています。ただ、あれはカメラの鏡筒自体を動かすもので、この中(スマートフォンの中)を動かすのは、さすがに厳しいですね。

――「RGBC-IRセンサー」や「レーザーオートフォーカス」で写真のクオリティが上がったと言いますが、デジカメだとどの程度のクオリティなのでしょうか。

野村氏
 オートフォーカスのパフォーマンスに関しては、1/2.3インチのセンサーを搭載するようなコンデジはしのいでいます。画質に関しては、1/2.3インチセンサーのコンデジと、1インチセンサーの「RX100」の中間ぐらいですね。また、コンデジだと、光学ズームがあるため、ズームの段階に合わせた制御が必要になります。その意味では、Xperiaにはズームがないので、そのポジションで絵作りを作り込むことができます。

トリプルセンシングテクノロジーを搭載

――Xperia Xからインテリジェントを売りにしていますが、これはなぜでしょうか。

野村氏
 世の中的にも、いろいろなデータを学習して自動化することがやられてきています。カメラもマニュアルからオートフォーカスになり、その点では自動化も進んでいます。もちろん、オートフォーカスはほかにもありますが、ソニーの場合は先読みオートフォーカスを入れるなど、業界の中でも一方先をゆく自動化をしていると考えています。

――スマートプロダクトは、これまで汎用機だったスマートフォンから、個々の機能を切り出していく試みということでしょうか。

伊藤氏
 必ずしもそうではありません。次のトレンドになる、シーズ(種)を見つけたい。それを見つける上では、先駆けてリッチなところから入ることもあります。スマートフォンがなかなか使えなかったり、家のなかだとスマートフォンである必要がないシーンもあります。また、世代や職業によっては、スマートフォンではないベストなデバイスがあるのではないでしょうか。

 今は、どういうシーズがあるのかを見極めるため、まずはいっぱい手を出しているところです。決め打ちはニーズにも合いませんので、いろいろな提案を通してフィードバックをいただき、一緒に育てていくのがいいと思っています。

発売が決まったXperia Ear

――2月に発表されたときは「Xperia Eye」がありましたが、今回はプレスカンファレンスでも触れられませんでした。あれは中止になったのでしょうか。

伊藤氏
 継続的に議論はしていて、あきらめたわけではありません。ただ、スマートプロダクトは、新しい体験を目指すもので、全部出すことが目的ではありません。どこにフォーカスしたらいいのか、いつのタイミングなら納得感があるのかは見極めていきたいですね。(Xperia Ear以外を)コンセプトとして紹介したのも、必ず出すというより、先に世に問うて、フィードバックをいただきながら、先の展開を議論していく狙いがあります。

――どういったものに、Xperiaの名前をつけていくのでしょうか。

伊藤氏
 真ん中にあるのは、やはりコミュニケーションです。その周りにスマートフォンやスマートプロダクトがあるイメージです。何をもってすれば、新しいコミュニケーションにつながるのか。人と人のつながり、新しい何かをもたらせるものを、Xperiaと呼んでいます。

――本日はありがとうございました。