NEC、セキュリティを高めた「LifeTouch」の法人向けモデル


 NECは、Android搭載のタブレット端末「LifeTouch」と、キーボード付きの「LifeTouch NOTE」で、セキュリティ機能などを新たに搭載した法人向けモデルを開発し、8月下旬より提供する。価格はWi-Fiモデルが各5万3000円、「LifeTouch NOTE」の3G対応版は6万3000円。

 「LifeTouch」「LifeTouch NOTE」は、NECが“クラウドコミュニケーター”に位置付けるAndroid端末。今回発売される法人向けモデルは「LifeTouchセキュリティパックモデル」「LifeTouch NOTEビジネス向けモデル」という製品となり、ベースとなるソフトウェアプラットフォームがAndroid 2.2であること、そしてハードウェア構成もこれまでのコンシューマーモデルと同等ながら、新たにセキュリティ関連機能を追加した。

 企業のネットワークへセキュアな環境でアクセスする「ネットワーク保全」、紛失対策や不正アプリ対策などを含む「端末保護」、業務ログや位置情報、アプリ一覧などを取得・管理できる「MDM(モバイルデバイスマネージメント)」という3点が大きな改善点となる。1点目の「ネットワーク保全」での独自機能としては、プロキシ設定が可能なこと、アクセス先のIPアドレスを制限できること、無線LANハンドオーバー機能を備えることが挙げられる。こうした機能のうち、たとえばIPアドレスの制限は、医療カルテ端末として「LifeTouch」を利用する際、アクセスするサーバーが病院が管理するカルテを保存したサーバーとなり、Webブラウジングなどが不要となるため、「LifeTouch」をいわば専用機として運用しやすくする。

 また社外からよりセキュアにアクセスできるよう、サードパーティ提供のVPNクライアントとして、AuthenTec提供のIPSec-VPN、Fortinet提供のSSL-VPNが搭載される。Android標準のVPN接続機能も利用できるが、金融機関などではよりセキュアな接続が求められるため、こうしたサードパーティのCPNクライアントが用意された。

 「端末保護」での独自機能として、ユーザーデータの保護が用意されている。「LifeTouch」ではSDカードを暗号化して、データを守るほか、SDカード経由のアプリインストールを防ぐ。「LIfeTouch NOTE」は8GBの内蔵メモリを備え、そのうち6GBが仮想SDカードとして認識され、脱着できないメモリカードとして利用できる。このほかアプリインストールを禁止する機能も搭載される。ウイルス対策としては、マカフィー提供のアプリ(30日間トライアル)が用意される。

 MSMでは、リモートワイプ、リモートロックなどが可能で、Android標準のMicrosoft Exchange ActiveSync対応が利用できるようになっている。また、MDMサービスの中でも、マカフィー、AXSEED、OPTiM、マイクロソフトのMDMサービスについては動作検証が行われている。

 このほか、「LifeTouch NOTE」の3G版は、コンシューマーモデルと同じく、NTTドコモの回線のみ利用できる。

 




(関口 聖)

2011/8/23 11:10