本日の一品

オートクチュールなiPhoneケースにチャレンジ

 三菱一号館美術館で開催中の「PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服」(2016年3月4日~5月22日)。パリ・クチュール組合の承認する数少ないブランドによる、注文を受けたデザイナーが最高級の完成度をもつ服を仕立てるオートクチュール。その19世紀後半~現代までの歴史を概観できるというきらびやかな展覧会だ。この展覧会ショップで販売されていたのが「DMC刺しゅう糸 iPhone6 ステッチケース」だ。針を挿すための穴の開いたiPhoneケースに、自分で刺しゅうをほどこしていき、自分自身の手で完成させる。

刺しゅう糸、刺しゅう針、土台となるiPhoneカバー、図案と刺しゅうの刺し方のリーフレットが同梱。刺しゅうに必要なものは全部揃っている

 図案はフランスの老舗刺しゅう糸メーカー「DMC」によって監修がされている本格派だ。購入した柄はクリスチャン・ラクロワのイヴニング・アンサンブルをモチーフとしたもの。刺し方はリーフレットにわかりやすく載っていたので、中学校の家庭科以来、刺しゅうをまったくしたことのない筆者でもできた。

ただ針を刺すのみ。ひたすらクロスステッチするのみ。
ここまでで12時間。まだ先は長い。

 完成までに要した時間は約21時間。間違えて解いたり、図案をよく見ていたつもりが最終的になぜか一段あまるという失敗もあった。しかし満足度は高い。無心で作業できた一方でとても疲れたが、すべてが職人の手仕事というオートクチュールの服作りがいかに大変かということが、このキットのレベルでも実感できた。

苦労の見え隠れする裏側

 量産型、いわゆる、プレタポルテともいえるスマートフォンだが、この手刺し刺しゅうのケースによって、世界にひとつだけのオートクチュール気分を、わずかながらも味わえた。

完成した、iPhone6ステッチケース
製品名購入場所価格
DMC刺しゅう糸 iPhone6 ステッチケース三菱一号館美術館展覧会ショップStore 1894大:3024円(税込)

棗田タカト