本日の一品

2段階トランスフォーム&自走! 最強の「ロボットペン」

フリーライド(左)とロボットペンが列ぶと編隊滑走だ

 いつの間にか、鉛筆を置いてけぼりにして、万年筆を抜き去り、筆記具の雄となったボールペンの世界だが、相変わらず国内外の優秀なメーカーが入り乱れて新しいテクノロジーの採用やクールなデザインのコンペティションを繰り返している。

 強力なデフレワールドでは実用品クラスの筆記具の上限価格は自ずと決まってしまい、そこにはコストのかかる新たな工夫や改善の余裕もサチってきているのが現状だ。

 市場に飽和感を感じると、腕時計や楽器など、いくつかの産業製品がそうであるように、筆記具も個性と差別感を実現できる“高級化路線”と、安価でかつウケ狙いの“エンタメ系”に向かうのが通常だ。

 もう10年近く前にフランスの“ジャン・ピエール・レピーヌ”という会社がバイクをモチーフにした“フリーライド”というボールペンを発売した。時代はまだ経済的に豊かな時代だったので、登場したばかりのフリーライドは3万円という高額にも関わらず、それなりに売れたが、現代ではあり得ないだろう。

 デフレ脱却にはまだ遠い現状では、ステイタスとなる高級品ではなく、もっと過激で楽しいベクトルが筆記具市場には求められている。そんな時代の要請に応えるように登場したギミック満載のボールペンが、非使用時は“滑降姿勢”をしている「Zライターズ・ロボットペン」(以後ロボットペン)だ。

 手に持ったサイズやボリューム感は前述のフリーライドとほぼ同じ、一番異なるのは、フリーライドのように単なるノック式ボールペンではなく、ブーツを履いた両足を360度ねじることによってボールペンに変身する、ギミックあふれる仕組みが特徴だ。

 ブーツの両足をまず180度回転させると、リトラクタブルな構造の側面のフィン4箇所と、上面のフィン2箇所、そして前2輪、後1輪が収納される。さらにもう180度回転させると、今度は、広げていた両腕を体の側面にピッタリとくっつけ、背中に担いでいるエンジンの噴射口も収納、滑走姿勢のために、まっすぐ前方を見ていた顔をうつ伏せ姿勢に変更する。

 これらの動作により、ロボットペンはほぼ全身に突起のない形状(ペンモード)にトランスフォームし、同時にブーツの先からはボールペンの芯先が露出し筆記可能状態となる。なんとボールペンの芯先を出したり引っ込めたりの動作によって稼働するロボットのパーツは14箇所だ。

 何より驚くのは、再度、ボールペンの芯先を収納した滑走体制(ロボットモード)では、チョロQのように、テーブルなどの滑走面に置いたロボットペンを指先でつまんでプルバックしてから再び指先を離すと、ロボットペンは猛スピードで滑走して行く。もはや、おフランス製の高級ボールペン“フリーライド”も抜き去った中国製のロボットペン……売り切れ必至だが、筆者は銀座の博品館の奥で偶然見つけてしまった。

見るからに楽しそうな少年マインドなパッケージのロボットペン
直立不動になったボールペンは他の形態に比べるとまだ持ちやすい
ペンモードではペン先が露出し、他の突起物は全て体内に収納される
ボールペンの芯先を収納すると、体のあちこちから14個のリトラクタブルパーツが登場して滑走体制のロボットモードになる
製品名販売場所価格
Zライターズ ロボットペン銀座 博品館1階900円

ゼロ・ハリ