正統派“ハズし”ペンケース 妄想工作所「アジなケース」


出歩く人の筆記具が増えると、自然とペンケースも増えてくる

 筆記具マニアになれない筆記具大口買い付けコレクターである筆者は、きちんと数えたことはないが、実はかなり多くの筆記具をコレクションしている。おそらく一生かかっても使い切れないことだけは確かだ。

 いっぱい持っているコレクターに限って、突然、ビニール素材の表面に文字を書かないといけない時に、油性のサインペンが見つからなかったり、勢いよくノック式ボールペンのお尻をプッシュして描きだそうとしたら、自慢のボールペンのインクが固まって、たったの一文字も描けないなんてことは日常茶飯事なのだ。

 集めれば集めるほど、個々のアイテムの使用頻度は加速度的に落ちてゆく。そして、24時間365日、会社や自宅の書斎にこもってまんじりともしない人は良いのだが、筆記具をたくさん揃えると、出かけることの多い人は、そのTPOに合わせて、持ち出す筆記具のコンビネーションやペンケースまでを考えたくなってくるようだ。

 筆者の場合も、ご多分にもれず、筆記具の増加に比例して筆箱やペンケースも増えていった。筆記具とそれを収納するペンケースにも独特の“組み合わせ感”というものがある。高級な筆記具やエレガントな筆記具にはそれにマッチしたペンケースの組み合わせがやはり堅いし、チープな筆記具にはチープなりにペンケースとの組み合わせで値段ではなくセンスの垣間見える組み合わせもある。

 そんな筆者のペンケースコレクションに、評価のしようがない新参者ペンケースが加わった。妄想工作所が制作する“魚の干物シリーズ”ペンケースだ。購入の候補は、「ほっケース」(ホッケの開き)、「きんめちゃん」(キンメダイの開き)、「アジなケース」(アジの開き)の3つがあったが、単なるオヤジギャグ系の「アジなケース」というワードに惹かれたのと、一番サイズがコンパクトだったので速攻買いとなった。


オヤジギャグ系のネーミングに惹かれて衝動買い中にペンが入ってケースが膨らむとリアリティも増す感じ

 スムースなプラスチック製のジッパーを開くと、“開き”というキャッチフレーズ通り、干物イメージの魚は内部までリアルなカラーイメージだ。それもそのはず、本物のアジの開きを撮影して、そのまま商品の内側に転写した商品だ。見方のよってはプチグロだが、そこはTPOを考えて使うしかない。

 「アジなケース」は“開き”シリーズの中では一番コンパクトであるが故に、それほど多くの筆記具を収納できるわけではない。筆者は、その日に会う人や、目的によって、時にはチープなBIC系の筆記具数本でまとめたり、時には全く似つかわしくないブランド筆記具を収納して、ハズしペンケースとして自己満足で持ち歩いている。

 収納するペンのブランドや種類より、アジなケースを収納する鞄のほうが選びにくい商品だ。ゼロやTUMI等、ハードボイルドなアタッシュケースは確実に変だし、フライタグも違う、ポーターも違う雰囲気だ。一番マッチングの良いのは、ナイロン製のスクールバッグであることはハナからわかっているが、それを選んだら負けな気がするので、同じ妄想製作所の「スペースバッグ」や「アリ・バッグ」などを横目で見ながら、もっとマッチする鞄を探している。

“開き”シリーズの中では一番コンパクトな「アジなケース」さすがに開くとリアリティがあってプチグロに感じる人もいそうだ
やはりチープ系の筆記具は似合う……(^_^;)ちょっと場違いだが、チャレンジする価値はありそうだ

 

商品名実売価格購入場所
アジなケース2380円ビレッジバンガード 上野

 

(ゼロ・ハリ)

2012/10/30 06:00