ビジネスシーンで使うゲーミングマウス「G9x Laser Mouse」


おとなしめのデザインで、ゲーム用には見えない「G9x Laser Mouse」

 先日のこと、職場のパソコンのセキュリティレベルが引き上げられ、自由にソフトをインストールできないようになってしまった。昨今のセキュリティ意識の高まりを受けた対応なのではあるが、マウスユーティリティソフトすらもインストールできなくなり、難儀してしまった。左右クリックにホイールだけの単純なマウスだけ使いなさいとのお達しを受けたのだが、筆者にとってそれではあまりにも効率が悪い。しかし、世の中にはマウス本体にある記憶領域に、ボタンの割り当てを覚えさせることのできるマウスがあるのだ。

 今回紹介するロジクールの「G9x Laser Mouse」は、ゲームプレイを目的に設計されたマウスだ。この手のゲーミングマウスは、マウス本体のメモリにキー割り当てを記憶させることができるのが一般的。なぜそんな仕様になっているかというと、ゲーム大会に出場するときなどに、愛用のマウスを会場に持ち込むことはできても、大会に使用するパソコンにマウスのユーティリティソフトをインストールできないから、らしい。そこで、自分のプレイスタイルに最適化したショートカットなどはマウス本体に記憶させる必要があるため、このような設計になっているそうだ。まさにこの機能が、職場のパソコンにソフトをインストールできない筆者に適したものだったのだ。

 マウス本体の性能は、左右クリックボタンの中央に、押下できるスクロールホイール、左側面に2つのボタンを備えたオーソドックスな5ボタンマウスだ。ホイールは左右にチルトもできる。各ボタンには好みの機能を割り当てることができる。これにはユーティリティソフトのインストールが必要なのだが、これは自宅のパソコンで行った。

 面白いのは、ハードウェアの面でマウスをカスタマイズできる点だ。本体は縦長の一般的な形だが、幅広なカバーと、やや小さめな、エンボス加工で滑りにくくしたカバーの2種類があり、好みのものを使うことができる。また、本体後部におもりを入れるスペースがあり、4つのスロットに4g・7gのおもりを入れることができる。ゲームプレイにおいて、狙いを定めるため細かく調整できる機能だが、ゲームだけでなくビジネスシーンでも有用だ。

 また、dpi(解像度)を切り替えるボタンがあり、細かい作業は低めのdpi、マルチモニター間を頻繁に移動して作業するときには高いdpiにと、瞬時に切り替えられるので作業効率が上がる。スクロールホイールはやや固めで、押下するには結構力がいる。これは誤動作を抑えるためだろう。スクロールはクリック感があるものと、クリックが無く慣性で回転し続けるものを切り替えられる。切り替えボタンが底面にあるので頻繁に切り替えられないのが残念だが、製品の性質を考えたら致し方ない。

 他社のゲーミングマウスにはもっとボタンの多い製品もあるのだが、いかにも「ゲームやります!」と主張している外観のものが多い。その点この「G9x」はボタン数が少ないぶん、見た目はシックに押さえられているのでオフィスでも違和感が少ない。やむにやまれず導入したものの、使ってみたら思いもかけず満足度の高い一品だった。


エンボス加工の施されたカバーに換装。ざらざらの表面が手に吸い付くカバーを外すと縦長の本体が現れる
本体後ろにおもりを入れるスペースがある付属してくるおもり。最大28gまで増やすことができる

 

製品名製造元購入価格
Logicool G9x Laser Mouseロジクール8970円

 

 

(ナカムラ)

2012/5/11 06:00