てっぱんアプリ!

通話代を安くするなら「G-Call」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: G-Call
開発者: gap Co., Ltd.
価格: 無料
対応OS: iOS 5.0 以降、Android 2.3.3 以上
カテゴリ: ツール

 LTEで高速通信できるiPhoneやスマートフォンにしてみたものの、毎月の通話料金がなんだか高くなってしまった……。そう感じているなら、できるだけ「G-Call」で電話をかけるようにすることで、電話代を節約できるかもしれない。

 LTE対応のiPhone・スマートフォン向けのプランでは、基本料金に無料通話分が含まれなくなっているのが現状。3キャリアともに30秒あたり21円と横並びで、電話すればするほど月々の費用がかさんでしまう。もちろん特定の電話番号や同じキャリア同士であれば割り引きされたり、無料になったりするオプションサービスもあるけれど、そのサービスの追加料金の元を取れるかどうかを見極めるのは難しいところ。そんな割高に感じる通話料金が半額以下になってしまうのが、「G-Call」というサービスなのだ。

 「G-Call」では、通常の電話回線を利用しながら、国内宛てであれば30秒あたり10円という安価な料金で通話が可能となっている。利用するには、まず初めにWebサイトから申し込みを行う。申し込みから登録完了までは、ほぼ1営業日程度しかかからないので、すぐに使い始められるはずだ。登録完了後は、相手先の電話番号の先頭に4桁の決まった数字を付加して電話をかけるだけ。「G-Call」アプリは、この4桁の数字入力の手間を省いて、「G-Call」サービスで簡単に電話をかけられるようにするツールだ。

iPhoneでは、「G-Call」の利用登録後、初回アプリ起動時のみ自分の電話番号を入力して認証する。Android版では入力不要だ
アプリのダイヤル画面
「G-Call」サービスを使って電話をかけるか、通常の電話発信をするかを選べる

 国内宛だけでなく、海外宛の電話もかなりおトク。たとえば米国宛は6秒あたりわずか2.9円。1分あたり29円の計算で、国内宛の1分換算20円と比べても大差ない料金設定となっている。仕事の相手が海外にいる場合、あるいは出張や単身赴任で海外にいる人に電話をしたい時でも、あまり身構えることなく気軽にかけられるのではないだろうか。

 「G-Call」では通常の電話回線を用いているので、普通に電話するのと音質・遅延に差はないと言ってよい。安価な電話サービスとして050番号のIP電話も注目されてはいるが、こちらは通話時の音質と安定性が最大の課題。IP電話はデータ通信によって通話するしくみのため、電波が弱くなったりインターネット自体が混雑していると、音質の劣化や遅延、音飛びなどが発生しやすく、特にビジネスの現場では安心して通話できないことがある。「G-Call」はそういった心配がなく、それでいて通話料金の節約にもなるという、メリットの多いサービスというわけだ。

 また、初期費用や基本料金が一切かからないのも大きなポイント。電話をかけた分だけ料金が発生するため、利用しなければ当然支払いはゼロで、とりあえず利用登録だけしておけば、得することはあっても損することはない。なお、利用登録の際には、iPhoneとAndroidを2台持ちしているようなユーザーでも一度にまとめて登録できる。毎月の請求金額は、電話番号ごとに明細を分けることも可能なので、会社支給の端末とプライベート用の端末を複数使っているようなパターンであっても利用しやすい。

「G-Call」のWebサイトから管理ページにアクセス。「管理ソフト」を使って利用明細を電話番号ごとに分けることができる

 一方デメリットとしては、固定電話相手に電話をかける時のみ、相手側で非通知と表示されてしまうところ。とはいえ、この問題は固定電話側でナンバーディスプレイを利用している場合に限られるから、それほど大きな不都合として考えることはないだろう。アプリの作りとしても、直接ダイヤルする以外に、履歴や端末内の電話帳から呼び出してすばやく電話をかけられるようにもなっていて、操作で戸惑うことは少ない。ただiPhone版では、iOSの仕様上、着信履歴から電話をかけることができない点が唯一残念なところではある。

「G-Call」で発信すると端末の電話機能に切り替わる
電話をかけた相手にはしっかり通常の電話番号が通知される
端末の電話帳から相手を選んでダイヤルするのもOK
こちらはAndroid版の「G-Call」。Android版では発信・着信の両方の履歴を一覧できるので、利便性はさらに高い

 ところで、通常の電話回線を使っているのに「G-Call」ではなぜ安価な料金を実現できているのだろうか。それは、簡単に言えば、「G-Call」の運営会社であるジーエーピーが電話回線の利用権をまとめて買い取り、それを多くの「G-Call」ユーザーでシェアする形にしているため。料金が安いからといって品質の低い回線を使用しているわけではないので、安心して思いっきり活用したい。

日沼諭史