スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
SDカードやUSBメモリ類をWi-Fiで利用できる多機能アダプター
(2013/12/2 06:00)
SDカードやUSBメモリ類をWi-Fiで利用できる多機能アダプター
今回のブツはソニーの「ポータブルワイヤレスサーバー WG-C20」(以下、WG-C20)。主にスマートフォンなどからWi-Fi接続で使える汎用的なメモリカードリーダーだが、ヒッジョーに活用幅が広い製品だ。
WG-C20の使用イメージは、特設ページを見ると掴みやすいと思う。のだが、コレ、製品紹介ページにあるとおり、いろいろな使い方ができる。
WG-C20、基本的にはSDカードを読み書きできるメモリカードリーダーなんですけど、USBメモリやUSB HDDも読み書きできたり、NFC対応だったり、DLNA対応だったり、nasneの動画をスマホなど端末で再生できたりもする。また、PCにUSB接続してSDカードやUSBメモリ/USB HDDを読み書きすることもできる。さらには、USBモバイルバッテリーとして使えたりもする。
コレを購入した理由は、まず、SDカード内の写真をスマートフォンなどに手軽に転送したかったこと。それから、USBメモリ内のドキュメントをスマートフォンなどに転送したかったこと。そして、スマートフォンなどに給電できるモバイルバッテリーが欲しかったこと。
てか、それぞれの手段を達成するためのモノは既に持っている。USB接続のSDカードリーダーとか、OTG(USB On-the-Go)ケーブルとか、モバイルバッテリーとか。でも、これら、たまにしか使わないんですな。でも急に必要になったりするので常時携帯。なんかこの「あまり使わないモノをいつも持ってる状態」、どうにかなんないかな? と思ってWG-C20を買ってみたというわけだ。
結果、イイ感じっす。持ち物減って気分爽快。WG-C20自体も細身でスッキリと携帯できる。てなわけで以降、WG-C20の機能や使用感などについて書いてみたい。なお、WG-C20のヒトツのウリである「おでかけ転送」機能に関しては、AV Watchに詳しい記事があるのでそちらをお読みいただければと思う。
多機能だがシンプルな本体
WG-C20の第一印象は、薄くて軽くてシンプルということ。サイズは約71×144×9mm(幅/高さ/奥行き)で、質量は約135g(本体のみ)。持った感じは超薄大画面スマートフォンといった雰囲気だ。本体にはSDカードスロット、USB Aポート、USB microBポート、電源スイッチ、それからいくつかのランプがある程度で、非常にシンプル。
カードスロットにはSD/SDHC/SDXCメモリーカードを挿せる。USB AポートにはUSBフラッシュメモリやUSB HDDを接続できる。バッテリー内蔵でありかつUSBホスト機能を持つので、USB AポートにつないだUSB HDDはWG-C20バスパワーで動く。本体につなげたこれらのストレージを、スマートフォンなどから読み書きできる。
スマートフォンなどとの接続は基本的にはWi-Fi。PCとの接続も可能で、USB microBポートを使ってUSB接続できる。なお、本体への充電もこのUSB microBポートを使う。
それと、前述のとおりWG-C20はモバイルバッテリーとしても使える。容量は3000mAhで、最大1.5AのUSB出力ができる。ので、スマートフォンやデジカメに加え、タブレット端末を充電することもできる。
ちなみに、出力は2段階に切り替えられる。WG-C20のWi-Fi機能を使ってメモリカードなどを読み書きしている状態では、500mAの出力となる。Wi-Fi機能を停止した状態(メモリカード類へのアクセス不可の状態)では、最大出力となる1.5Aを出力できる。出力の切り替えは電源ボタンの「短押し」。現在の出力はWi-Fiランプの状態で確認する。
ただ、容量があまり大きくなく、Wi-Fi対応カードリーダーとしても電力を消費するので、「モバイルバッテリーとしてガンガン使える」というイメージにはなりにくいだろう。あくまでも予備、みたいな。
専用アプリでファイルを利用
WG-C20につないだSDカードやUSBメモリなどは、スマートフォンやタブレットからWi-Fi経由でアクセスできる。WG-C20本体と端末を直接Wi-Fi接続するわけですな。また、そのための専用アプリ「File Manager」が必要になる。
専用アプリ「File Manager」は、現在Android版のみがあり、iOS版の提供時期は未定とのこと。なお、WG-C20をPCと接続して使う場合は、「File Manager」のような専用アプリは不要。たとえばWG-C20をPCとUSB接続した場合、USBカードリーダーを接続したときと同じ見え方になる。
では、アプリの各機能および使用感を、スクリーンショットとともに見ていこう。使用している端末はドコモの「Arrows NX F-06E」。スクリーンショットは縮小処理を施している。なお、WG-C20対応機器情報はこちら。
ちょ~っと高い……かな?
しばらく使ってみて感じるのは、前述の「たまにしか使わないグッズをいくつか持ち歩く」ことから解放されるスッキリ感ですな。また前述のとおり、スマートフォン程度のサイズなので、携帯感もいい。WG-C20をひとつ持っていれば、必要に応じてスマートフォンとメモリカード類の間でファイルをやりとりできたり、いざとなればスマートフォンに充電できるという利便と安心感が嬉しい。
レスポンスも悪くない。Wi-FiはIEEE802.11b/g/n(2.4GHz)対応で、ドコモの「Arrows NX F-06E」と組み合わせて使っている。この組合せにおいては、サイズが5MB前後のJPEG画像だと、待たされる感じはほとんどなく表示される。
ちなみに、電池持続時間はWi-Fi接続で使って最大10時間程度とのこと。WG-C20をモバイルバッテリーとして使わなければ、十二分なバッテリーライフがあると言えそうだ。
ただ、なーんかたまに、WG-C20とスマートフォンが安定して接続されないことがある。その場合、WG-C20の電源をいったん切って再起動すれば問題なくつながったりするが、なぜだろう? 使用しているスマートフォンがXperiaじゃなくてArrowsだから!? から!? から!?
それと、これはあまりやらないことと思うので大きな問題にはならない気がするが、WG-C20充電中は「File Manager」アプリからUSBメモリなどUSB Aポートに接続したストレージが認識されないっぽい。手持ちのUSBストレージしか試していないので断言できないが、そういう仕様なのかもしれない。
あと、細かいコトなんですけど、なんかWG-C20の「ホワイト」は汚れやすいかも。表面はマットな質感の樹脂で、手触りはいいのだが、簡単に汚れてしまう。いつの間にか、布かなにかから染料かなんかが移っちゃうような感じで、フチやカドが汚れる。そしてこの汚れ、落としにくい。汚れが気になるなら他の色を買った方がいいかも。
そしてお値段。容量3000mAhのモバイルバッテリーで、Wi-Fi対応のメモリカードリーダーで、という要素の製品が、実勢価格9500円前後。人によって見解が分かれそうな値段ですな。たまにしか使わない俺にとっては、ちょ~っと高いかな、と。DLNA系機能やnasne関連機能を使えば安く感じられるかもしれないんですけどね。
でもまあ、ほかはとくに問題らしきところを感じていない。全体的に使いやすいっす。持ち運びもラク&嵩張らないのもナイスだし、常時携帯しているとたまに役立つので、まあ実用的。作りの良さにも満足できている。興味のある方は一度実機に触れてチェックしてみてほしい。