みんなのケータイ

 これまでLumiaシリーズを購入して来た筆者だが、日本での利用は海外から持ち込んだローミング利用として使ってきた。だが、技適マークがない海外端末ゆえに利用の制限があった。ところがマウスコンピューターが日本国内でMADOSMAを6月に発売。日本のSIMで利用できるWindows Phoneとしては実にIS12T以来約4年ぶりだ。しかもSIMフリーで価格は3万円強と値段も手ごろだ。iPhoneやAndroidを使っている人がお試しやサブ用途に買うのにも向いているかもしれない。筆者も思わず購入した。

MADOSMA(左)とLumia 535(右)。ほぼ同サイズだが重量20gの差は結構大きい

 MADOSMAのレビューはすでに多数の記事が上がっているので詳細は省くが、5インチHDディスプレイ搭載で125gと軽く、毎日持ち運ぶのも苦にはならない重さだ。単純に同じディスプレイサイズのLumiaと比較すると、Lumia 640が145g、Lumia 535が146g、Lumia 830が150gでMADOSMAのほうが軽い。実は歴代のLumiaシリーズは同じサイズのAndroidより重量が重いものが多く、マイナー機種のため仕方ないと考えていたのだが、MADOSMAを持ってみるとWindows Phoneでもちゃんと軽量の製品を出すことができるのだなあとちょっと感動してしまった。

 細かい点を見ると、まず電源を切ったまま充電することが可能になっている。Lumiaシリーズは全機種がたとえ電源を切っていても充電を始めると電源ONになってしまう。MADOSMAなら飛行機の機内で充電する際、電源が入ってしまい慌ててフライトモードに切り替えるといった手間がかからない。また電池カバーもはずしやすくなっている。これも実は最近のLumiaのほとんどの機種がカバーを開ける際に上に押し上げながら隙間に爪を入れるなど、開けにくくなっていることとは対照的だ。SIMの入れ替えが多い筆者にはありがたい。

 まあ、このあたりは他の端末を使っている人にとって「何をいまさら」かもしれないが、Lumiaの普及が今一つなのはこんな細かい部分にも原因があるのでは、と歴代機種を使ってきて筆者は感じるのだ。ライバルメーカーが次々と登場すればLumiaの使い勝手も高まっていくだろう。

 SIMスロットはマイクロSIMでトレイにSIMを置いて上から金具で押さえつけるタイプ。このタイプは最近のスマートフォンでは採用されておらず、ちょっと前の製品でよく見られた形状だ。だがおかげでナノSIMを使う時はSIMアダプター無しでも使うことができる。自己責任での利用だが、MADOSMAのSIMスロットの接点の上にナノSIMを置くとちょうど接点が全て接する。この状態で金具を閉じればナノSIMがそのまま使える。トレイ式や挿入式のスマートフォンだとSIMアダプターを使う人が多いだろうが、筆者は何度もアダプターを引っかけてしまいスマートフォン本体側のSIMピンを破損した経験がある。そのためナノSIM利用時もSIMアダプターは使わないようにしている。MADOSMAのSIMスロットはその点でもうれしい仕様なのだ。なお、繰り返すがこの使い方はメーカー非公式なので不具合が出てもあしからず、筆者は責任は取れない。

電池カバーも開けやすい。使っていて心地よいサイズ感だ
お勧めはしないが筆者はナノSIMを直接装着している

 さて、全体の動作はSnapdragon 410、RAM 1GBのマシンとして考えるとスペック相応だろうか。とはいえWindows Phone OSのUIの良さなのか、アプリ一覧画面のスクロールやタイル画面でのタッチ操作などはスペックよりも快適に動くように感じられる。Windows Phoneを初めて触る人もこれなら意外と使えるかも、と思えるかもしれない。

 MADOSMAのOSは現在はWindows Phne 8.1。マイクロソフトは今月7月29日にPCのWindows 10のリリースを予定しているが、Windows Phoneに関してはまだ未定だ。MADOSMAも公式なアナウンスがされていないが、ぜひともスマートフォン向けWindows 10へアップデートされることを期待したいものだ。