みんなのケータイ
「プライバシーモード」を使ってみた
【ARROWS NX F-06E】
房野麻子
(2013/9/10 06:00)
富士通製ケータイの魅力に、強力なプライバシー保護機能があります。機能名としては「プライバシーモード」ですが、“隠していることを隠す”こともできることから、“浮気モード”なんていう俗称まであるとか。あまりに秀逸なその機能のおかげで、富士通製フィーチャーフォンは“不倫ケータイ”なんて呼ばれたこともありました。
スマートフォンのARROWS NXも、かなり強力なプライバシーモードを搭載しています。幸いにも、画面ロック機能以外、プライバシー保護機能に必要性を感じたことは、ほとんどなかったのですが、せっかく用意されている機能なので、どれほどスゴイものなのか使って確認してみることにしました。
プライバシーモードを利用するにあたっては、まずセキュリティロックを設定します。ロックの解除方法を登録するのですが、これもせっかくなので指紋認証がよいかと思います。指を滑らすだけの操作が簡単ですし、万が一、怪我などで指紋の読み取りができない場合に備えて、予備の解除方法も登録できます。
プライバシーモードを設定すると、ブラウザのブックマークや画像、アプリを非表示にできます。また、「NX!電話帳」や「NX!メール」アプリを使うと、特定の人物の電話帳やメールを非表示にしたり、電話やメールの着信を非通知にしたりできます。さらに、文字入力システムの「NX!input」では、プライバシーモード解除時に学習した内容は、プライバシーモード設定中は変換候補に表示されません。ただし、アプリを非表示にするには、ホームアプリが「NX!ホーム」の場合に限られます。要するに、すべて富士通製アプリを使えばいいのです。
プライバシー対象を設定すると、その後は指紋センサーの長押し、あるいは通知パネルの時刻表示部を右にスワイプすることで、プライバシーモードと通常モードの切り替えができます。残念なのはspモードメールに対応していない点ですが、GmailはNX!メールにアカウントを登録できます。
ARROWS NXのプライバシーモードで“おなじみの”機能が、着信を密かに知らせる「プライバシー着信通知」です。プライバシー対象に指定した人から電話やメールの着信があった場合、着信音やバイブレーションはもちろん、ステータスバーへの通知もありませんが、バッテリーアイコンが変化して密かに着信を知らせるというもので、ちょっとだけ変わるアイコンが秘密なムードを盛り上げます。
LINE全盛の今、メールと電話の着信通知を隠すだけでは足りません。でも心配ご無用、ARROWS NXではLINEの着信通知を非表示にすることもできます。「アプリケーション通知動作設定」という項目があり、ここで通知しないように設定できます。
ただ、このプライバシーモード設定だけでは、実はLINEの着信通知は非表示になりません。LINEアプリの設定で、「通知ポップアップの表示」のチェックを外さないと、スリープ時でもデカデカと通知ポップアップが出てきますので注意が必要です。
通知を隠せるのはいいのですが、一部のアプリの通知を非表示にしようとすると、アプリアイコンも非表示にする必要があります。ホーム画面にショートカットを置いておくと、プライバシーモード時は並びが崩れるので、ショートカットは置かない方がバレにくいでしょう。そもそも、アイコンを非表示にすると、今どきLINEをやっていないように見えて、それこそ不自然かもしれません。といって、すべてのアプリの通知を非表示にするのは無理があります。一部の友だちだけ通知を非表示にできればいいのでしょうが、端末側の設定では難しそうです。
ともあれ、コミュニケーションのやり取りを隠せる強力なプライバシー保護機能です。私自身は、やはりプライバシーモードはそれほど必要ありませんが、指紋センサーの長押しだけでモードの切り替えができるので、SNSアプリを非表示に設定しておけば余計な通知に気を取られることがなくなり、仕事モードとプライベートモードの使い分けができるかな、とは思いました。いつか、誰かと“正しく”プライバシーモードを使える日もやってこなさそうで、平和なのか、残念なのか……。