みんなのケータイ

 今夏のNTTドコモはツートップ戦略のおかげで、Xperia AとGALAXY S4が好調な売れ行きを示しているという。NTTドコモの発表会の記事でも触れたように、ツートップ戦略という手法は、ユーザーの選ぶ権利を奪っているようで、個人的にはあまり歓迎していない。ただ、販売店の様子を聞いてみると、iモード端末からの乗り換えユーザーが圧倒的に多く、なかには「今度のドコモのスマホ、5000円なんでしょ! アタシのも換えてよ」などと言ってくるツワモノもいるとか……。

ディスプレイ面には少しラウンドさせた強化ガラスを装備。ホームキーはブラックジルコニアキーによるハードキーを採用

 そんなNTTドコモの2013年夏モデルのラインアップにおいて、発売された実機を触ってみて、ちょっと印象が変わったモデルがパナソニックの「ELUGA P P-03E」だ。ハッキリ言ってしまうと、パナソニックはここ数年のスマートフォン開発競争に出遅れた上、ブランド確立も遅れ、あまり存在感を示すことができていない。しかし、今年の春モデルの「ELUGA X P-02E」では、ライバルと互角に戦えるハイスペックを実現し、使いやすさを含めた完成度の高さが各方面で高く評価されるなど、急速に追い上げてきた印象だ。

 今回のELUGA P P-03Eは「さらっとスマチェン!」をキャッチコピーからもわかるように、ケータイからの移行ユーザーをターゲットに開発されている。こう書いてしまうと、「ふーん。じゃあ、初心者向けなのね」と受け取られてしまいそうだけど、発売された実機を触ってみると、使いごたえのある機能がしっかりと作り込んであって、なかなか「イケてるスマートフォン」に仕上がっている。

 詳しいスペックや外観は、本誌のケータイ新製品SHOW CASEや製品情報ページを参照してもらうとして、実機の第一印象は「あんまり大きくない」というところ。今夏のNTTドコモのラインアップは、5インチクラスのフルHD対応ディスプレイを搭載したハイスペックモデルが目をひくけど、こちらは約4.7インチのフルHD対応ディスプレイを搭載。ちなみに、ツートップの一角を占めるXperia A SO-04Eは、約4.6インチのHD対応ディスプレイ。ボディ幅はXperia A SO-04Eの約67mmに対し、ELUGA P P-03Eは約65mm。つまり、ELUGA P P-03Eの方が画面が大きく、高解像度なのに、ボディ幅は狭くて、持ちやすいというわけ。さらに追打ちをかけておくと(笑)、バッテリー容量はXperia A SO-04Eが2300mAhに対し、ELUGA P P-03Eは2600mAh。NTTドコモが今夏から公開している実使用時間もELUGA P P-03Eの方が3時間以上長く、しかも急速充電対応だ。

おすすめ機能のひとつ「パーソナルプロテクト」は写真や文書ファイルなどを安全なセキュリティボックスに保存できる機能

 とまあ、そういうスペック的な比較は別にして、ELUGA P P-03Eで個人的に気に入ってる機能のひとつが「パーソナルプロテクト」。いきなり渋めの機能で恐縮だが、ELUGA Xなどの従来モデルから受け継がれてきたパナソニック端末ならではの機能で、他人に見られたくない写真やムービー、Eメール(spモードは不可)、ファイル、ID/パスワードなどを端末内に設定された「セキュリティボックス」と呼ばれるエリアで管理できるというもの。ボイスレコーダの録音データやPolaris Officeのデータも保存できるので、ビジネスユーザーには便利かな。

 そして、このセキュリティボックスを活かした「あんしんログイン」を使えば、ログインが必要なWebページで、セキュリティボックスに保存したIDとパスワードを簡単に入力することができる。たとえば、Webページでログイン画面が表示されたとき、ソフトウェアキーボードの最上段に表示される[あんしんログイン]をタップすると、あとはパターンやPINを入力するだけで、登録済みのログイン情報が入力できる。

 スマートフォンを使いはじめると、Webページにアクセスすることが増え、NTTドコモのサービスなどでにWi-Fi経由でアクセスすると、docomo IDの入力画面が表示されたりするけど、そんなとき、あんしんログインを使えば、簡単かつ安心して使えるというわけ。

Wi-Fi接続時にNTTドコモのサービスページにアクセスすると表示される「docomoログイン」の画面。ここで画面中段の「あんしんログイン」をタップ
あんしんログインに、それぞれのWebページで使うユーザーIDやパスワードを登録可能。次回からはパターン入力などですぐに入力が可能