「Tasker」で快適……のつもりが意外に難しかった件
「Tasker」での設定などの実行条件を一覧するプロファイル画面。これからどんどん増やしていきたいところ |
AndroidのOSの設定や挙動などを、あらかじめ想定したシーンに応じて自動で切り替える「Tasker」というアプリがある。毎日決まった時刻に特定のアプリを起動するとか、指定した場所に近づいたらアラートを出すとか、そういったパターン化できそうな操作を自動化できるものだ。DIGNOをできるだけ長時間使えるよう、いろいろな方法を試しまくっているうちに、この「Tasker」を使いこなせば、バッテリーの消費を抑えるだけでなく、利用シーンに合わせていちいち設定を変更したりする手間もなくなって、とっても効率的で快適なスマホライフが送れるんじゃないか、と思った。
国内外を行ったり来たりしつつ、分刻みのスケジュールで全く別の仕事をする……ということの一切ない平凡な毎日を過ごしている筆者。その普段の生活スタイルをざっくり分けると、“平日か休日か”、“自宅にいるか、移動中か、オフィスにいるか”のどれかにあてはまる。スマートフォンを常に持ち歩いていても、だいたいはこういうシーンごとにちょっとずつ違う使い方をしたり、別の設定になっていると都合がよかったり、という変化があるくらいで、パターン化もしやすい。パターン化しやすいということは、「Tasker」の設定もしやすいはず!
ということでさっそく「Tasker」を導入してみたのだけれど、一般的なAndroidアプリとは異なる独特のインターフェイスをしていることもあって、決してとっつきやすいとは言えない。慣れないうちは、どの画面でどのように操作したらよいのか迷ってしまうこともある。有志の作ったWebサイトを参考にしたり、アプリの英語版ヘルプをなんとか読み解いてチャレンジしてみた。
まず自動化したかったのは、“自宅では無線LANを使えるようWi-Fiをオンにし、Googleアカウントの自動同期を有効にして、ディスプレイがスリープするまでの時間を少し長くする”というもの。逆に、“自宅から離れたらそれらの設定はオフにする”という設定も必要だ。さらに、“自宅以外でも、充電を開始したときはWi-Fiや同期の設定をオンにしたうえで、ディスプレイのスリープまでの時間はかなり長めにする”のと、“充電ケーブルが抜かれたらそれらの設定は元に戻す。でも自宅だったら最初に挙げた設定を有効に”というのも設定しておきたい。
Wi-Fiがオンになっていると、利用可能なアクセスポイントがなくても常にサーチし続けることになるので、バッテリーを消費しやすい。でも、自宅には確実に使えるアクセスポイントがあるし、バッテリーが減ってもすぐに充電できるので、自宅にいるときは常にオンにしていても問題なし。それに、仕事柄、アプリのスクリーンショットをバンバン撮ることも多く、数十秒でディスプレイがオフになってしまう標準的な設定だと作業効率が悪かった。これらの設定を都合のいいように自動で切り替えられる「Tasker」はすばらしい! と思ったのだが、こんな単純そうな設定でも、なかなか思い通りにはいかないものだ。
「Tasker」では、“自宅から50メートル以内であればWi-Fiをオンにする(そこから離れればオフにする)”というような設定ができる。ただし、これはGPSをオンにしているときの話。GPSがオフの場合は、位置情報を携帯電話網の基地局から取得するしかなく、筆者の場合は自宅から800m近く離れた場所を基準に考えることになる。半径800mとなると、直径でいえば一つ以上先の駅まで含んでしまうことになり、自宅からかなり遠ざからないとWi-Fiがオフにならない。かといってGPSを常にオンにしておくと、逆にバッテリーの消耗は激しくなるわけで……。半径800mは自分の庭、ということにして諦めることにしよう。
充電の有無で設定を切り替える部分については、DIGNOの場合はシンプルだ。クレードルなどに置いて充電できるタイプの端末では、“USBで充電しているとき”と“AC電源から充電しているとき”というように、充電方法の条件が増えることになる。DIGNOの充電方法はUSB接続しかないので、1パターンだけ設定しておけばOK。設定パターンが増えると、変数を使ったフラグ判別の処理を加えなければならない時もあるので、設定が複雑になってしまう。逆に、DIGNOではUSB接続とAC充電とで別の処理を行えないという問題が……。これも仕方がないと割り切る!
とある条件下で、とある処理を実行する、という「Tasker」の設定の仕方は、プログラムを作るのに近いかも。思い通りに使いこなせるようになるのは時間がかかりそうだけれど、一切操作していないのに自分の求めていた設定に自然と切り替わっていたりすると、いよいよDIGNOが自分になじんできているという実感があって、けっこううれしい。