スタイラスでラクラク文字入力

2011年11月30日 06:00
(日沼諭史)
Xperia acroとスタイラス

 スマートフォンのキーボードタッチ操作に難渋している筆者。前回「POBox Touch」のカスタマイズや「ATOK」を試してみたりしたものの、根本的な解決には至らず、結局、なんとなく気になっていたスタイラス「WACOM Bamboo STYLUS」を購入してしまいました。不器用な指よりは断然細く、正確に入力できるのでは、と期待しての導入です。

 「Bamboo STYLUS」を使ってみた最初の印象は、持った感じが“太い”ことと、画面タップ時の感触が“柔らかい”こと。10年ほど前に使用していたPalmの、細いスタイラスと堅いタップ感とは完全に正反対。かつてのPalmが感圧式スクリーンであり、Xperia acroなどのスマートフォンは静電容量式のスクリーンであることを考えれば当たり前のことかもしれませんが、タップ時の奇妙な柔らかさに最初は少し戸惑います。

 スタイラスで文字入力するとなると、QWERTYキーボードやフリック入力などの操作は逆に非効率。片手でしっかり端末を持ち、もう一方の手で持ったスタイラスで一つずつキーを押していくわけで、1文字あたりの入力の確実性は上がっても、キーボードを連続的にすばやくタップしていくのはどうにも困難です。というわけで、スタイラスを使う場合はやはり手書き文字入力がおすすめになります。

 手書きで文字入力できるAndroidアプリには、Palmにも採用されていた「Graffiti」のほか、最近ではMetaMoJiが開発した「7notes with mazec」などいくつか存在します。「Graffiti」は独自の表記方法で文字入力していく必要がありますが、Palmを使用していた筆者にとってはわりとなじみ深いもの。対して「7notes with mazec」は、英数字やカナ、漢字などをほぼそのまま書いていくだけで正確に単文節・連文節変換できる高性能さがウリです。

「7notes with mazec」で長文もラクラク手書き入力液晶保護シートの上からだと、線が途切れやすくなることがある

 ところが、Xperia acroをはじめスマートフォンでスタイラスを使うにあたり、文字入力アプリをどうこうする前に気をつけておかなければならない点が一つ判明しました。それは、“液晶保護シートはできるだけ外すべし”ということ。液晶保護シートを装着している場合、スタイラスで画面上のボタンなどをタップするくらいなら全く問題ありませんが、手書き入力する際などの引きずる操作で誤認識が発生しやすくなることがあるのです。

 絶対に液晶保護シートを外さなければならない、というわけではありませんが、誤認識を可能な限り少なくしたいのであれば、液晶保護シートは使わないほうが無難かも。画面を傷などから守って常にきれいにしておきたいユーザーにとっては、これはややデメリットと思われます。ただ、スタイラスの場合、手書き文字入力時はもちろん、お絵かきアプリを使うときも細部まで描き込めるという、指先操作では得られないであろう大きなメリットもあります。

 今回は「Bamboo STYLUS」しか試していませんので、別の製品や端末の状態によっては異なる印象になる可能性ももちろんありますが……。現実的には液晶保護シートを諦めて、指先とスタイラスを場面に応じて使い分けるのがベターなのかな、と思います。