マレーシアでNokia N9を購入
10月4日に発表会が行われ、今月中にも発売が開始されるiPhone 4Sに市場の注目が集まる中、NokiaからMeeGo OS搭載のスマートフォン、Nokia N9が発売となった。Nokiaはスマートフォン戦略を一新しWindows Phone 7へ一本化することを表明し、従来からの主力OSであったSymbianは今後製品がフェードアウトしていく予定である。だがNokiaはそのSymbianの代替/上位OSとしてMeeGo OS製品の開発も進めていた。20010年2月のMobile World Congress開催中に発表されたMeeGo OSは、それまでNokiaが進めていたMaemoとIntelのMoblinを融合させた新しいプラットフォームだったが、スマートフォン製品が出てくるまで実に1年半もかかってしまった。今後NokiaのスマートフォンはWindows Phone 7のみとなるため、このNokia N9は後継モデルも出ずわずか1機種で終わってしまう運命となっている。
だがNokia N9のUIはボタン操作を廃止した全く新しい概念のものであり、標準でFacebookやTwitterなど大手のソーシャルサービスにも対応するなど単体として十分実用的なレベルに達している。これがあと1年早く出ていればスマートフォン業界の勢力図も変わったかもしれない、と思えるだけの魅力が詰まっているのだ。またWindows Phoneへと社内の開発リソースが集中する中、Nokia N9開発陣の最後の意地が詰まっている製品として優れた仕上がりになっていることも十分期待される。今後MeeGo搭載スマートフォンが出てこないことがわかっていても、これは購入しておく製品だろうと思うのだ。
さてNokia N9は10月発売という情報が事前に流れていたものの、Appleのような新製品発表会や世界的な発売日のアナウンスというものは一切なされていない。また販売国も限定されたものになるとのことだった。そのためいつどこで入手できるかわからずネット上での噂話を頼りに情報をかき集め、どうやら10月9日にシンガポールで発売されるらしいという情報を入手。所用の関係でクアラルンプールに8日に入り、9日にシンガポールから帰国という飛行機のチケットを予約した。結局シンガポールの発売は延期されたものの、マレーシアでは10月7日に発売が確定、あとは飛行機で飛ぶだけとなった。
10月8日、クアラルンプール空港到着後に市内のパソコンビル「Plaza Law Yat」へと向かい、携帯電話フロアにあるNokiaストアを訪問した。店内はやはり今のNokiaの勢いを現しているのか来客者の数は少なめであったが、Nokia N9の展示ブースには人だかりができていた。在庫も問題なく無事1台購入できた。スタッフが出してくれたNokia N9のパッケージはiPhoneと類似の直方体のもの。最近のスマートフォンは皆この類の形状になっているが、Nokiaも追従してしまったとはちょっと残念。パッケージの開け方が下から中の箱を引き出す方法になっているのがオリジナリティーあるものの、その中身はやっぱりiPhoneっぽい。まぁこれが今のトレンドと考えればこのほうが消費者にも受けがいいのだろう。
ちょっと操作してみたところ、さすがにじっくりと開発された製品だけに、所々に使いやすさや他のスマートフォンOSに無い優れた点も見え隠れしている。ということでこれからしばらく、このNokia N9をメインで使い、特徴点や便利なところ、気がついた操作などをこれから書いていこうと思う。