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200kbpsと300kbpsで全然違う! 低速通信の意外な体感差

【ZenFone 3(ZE520KL)】

筆者は、普段の通信のほとんどを低速通信で賄っている

 筆者は、普段「UQ mobile」のSIMをメインで利用しており、契約から2年間はデータ通信量が2GBの「おしゃべりプランS」というプランを適用しています。筆者の1カ月の平均データ通信量は6GBなので、ほとんどのデータ通信を「節約モード」で行っています。

 さまざまなMVNO事業者が、高速通信と低速通信を手軽に切り替えられるサービスを提供していますが、多くのMVNO事業者の低速通信時の最大通信速度が200kbpsとなっているなか、UQ mobileの節約モードは、「ぴったりプラン」もしくは「おしゃべりプラン」を契約している場合に限って最大300kbpsと、ベストエフォートではあるものの、約1.5倍も低速通信時の最大通信速度が速くなっています。この200kbpsと300kbpsの差は、もちろん良い意味で全く違うものでした。

 筆者が使うモバイルデータ通信量の約7割は、「Google Chrome」「radiko.jp」「Twitter」の3つのアプリで占められています。筆者の場合、まず朝起きると、「Googleアプリ」の「おすすめの記事」をざっと確認するので、一日の始まりはChromeに始まるといっても過言ではないと思います。Google Chromeは、同じサイトを閲覧するときでも、300kbpsだと読み込みスピードが結構速くなります。特に画像の多いサイトは、200kbpsだともたつき、イライラすることが多くて我慢できず、高速データ通信に切り替えてしまう……ということが多かったのです。

Google Chromeで本誌を同じタイミングで開く。読み込みにかなり差がある

 radiko.jpは、自宅内や移動中、カフェ内などさまざまな場所で起動しています。「radikoプレミアム」に加入しているため、ほぼ毎日、静岡県や関西広域ローカルのお気に入り番組を聴取しています。アプリ起動の際、地域判定などにかかる時間が300kbpsでは短縮され、わりとすぐにラジオを聴くことができます。

radiko.jpを同時に起動した(左が200kbps、右が300kbps)。
300kbpsでは、放送局別の画像がすでに表示されている

 そして、体感的に一番違って驚いたアプリがTwitterです。高画質の写真や動画といったサイズの大きいコンテンツをツイートしたり、閲覧したりできるため、低速通信時には天敵となってしまいます。実際200kbpsでは、画像の読み込みがなかなか進まず、Google Chromeと同じく、頻繁に高速データ通信に切り替えていました。しかし、300kbpsになると、筆者の個人的感想にはなりますが、「同じ画像でもここまで読み込みが早くなるのか!」と驚くほどに、画像がすばやく表示されます。

Twitterの画像読み込みの速さを比較(左が200kbps、右が300kbps)。200kbpsだと、画像が一向に開かない

 さて、ZenFoneを使っているとき、筆者はあることに気がつきました。「ZenFone 3」利用していると、アンテナピクト横の通信状態表示が「4G」と「4G+」に切り替わることです。購入した際は意識していませんでしたが、ZenFone 3には複数の周波数帯を同時に受信することで、通信速度の向上を図る「キャリアアグリケーション(CA)」機能が備わっています。ZenFone 3の「4G+」は、キャリアアグリケーションが機能している状態を指します。そこで、低速通信時にキャリアアグリケーションが意味あるものなのか、スピードテストと本誌ページの読み込みにかかった時間を計測してみました。

ZenFone 3は、アンテナピクト横の通信状態表示でキャリアアグリケーションが機能しているか確認できる

 計測場所は東京都足立区の北千住駅構内と、東京都千代田区の新御茶ノ水駅周辺の路上の2カ所で、非CAエリアと、CAエリアの2パターン計測を行いました。非CAエリアとCAエリアは、北千住駅構内では直線距離で約50m、新御茶ノ水駅周辺では約100m離れています。なお、この計測は平日の2日に分けて実施しており、計測時間帯は、いずれも通勤・通学ラッシュが終わった後の午前10時30分から11時30分の間に行いました。使用したアプリは、イードが配信している「RBB SPEED TEST」です。

 まず、北千住駅構内で計測した結果、CAエリア、非CAエリアでほぼ変わりませんでした。体感もさほど変わらず、本誌ページ読み込みも非CAでは26秒、CAでは24秒でした。

北千住駅構内で計測、非CAエリア
CAエリアで計測、体感に変わりはなかった

 東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅付近の路上で計測しました。結果としては若干非CAエリアの方が速かったものの、体感は全く変わらず、本誌ページ読み込み時間は非CAで27秒、CAでは29秒と、大きな差は見られませんでした。

新御茶ノ水駅付近の路上で計測、上記の結果とほとんど変わらない

 何度も計測を行いましたが、結局のところ、低速通信時はキャリアアグリケーションが機能しているかどうかで、体感的にも変わりませんでした。低速通信時にはあまり関係のないお話なのかもしれません。

 しかしながら、最大通信速度が300kbpsになるだけで、体感的に大きな差が出ることに変わりはありません。あくまでも個人的な意見ですが、外で動画や高画質の写真など、リッチなコンテンツを視聴しなければ、300kbpsの節約モードだけで快適なスマホライフを送れるのではないでしょうか。