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「arrows M03」で「Pokémon GO Plus」を使ってみた

【arrows M03】

 今夏の登場以降、大人気ゲームとなった「Pokémon GO」。スマホ画面を見ることなく、スムーズにプレイできる周辺機器として9月に発売されたのが「Pokémon GO Plus」だ。発売直後に売り切れてしまい、次回出荷は11月上旬とされる。

 筆者は、予約開始日に始発電車に乗って取材先に向かったあと、現場でイベント開始を待つ間に運良くオンライン購入に成功。1カ月ほどじっくり使ってみた。正直なところ、こんなに便利とは思っていなかった。

 すでにユーザーコミュニティやブログなど、さまざまな場でその機能について語られているところだが、「道具、ポケモンをさくさく集められる」のが一番大きなメリット。ポケモンについては、捕まえ損ねることもそれなりにあるのだが、ゲットできたかどうか、ごくわずかな時間しかかからない。通常のプレイでは、自分の好みではないポケモンを「ちょっと面倒かも」と敬遠してしまう場合であっても、意に介さずとにかく捕まえられる。

Pokémon GO Plusに通知されているポケモン、ポケストップには画面上にマークがつく
「おこう」の効果で登場するポケモンも通知される

 その結果、自然と、ポケモンをたくさん集められるようになる。アイテムもどんどん集まってくる。だから進化もしやすくなるし、ポケストップにアクセスしたときの経験値も得やすくなる。そして「Pokémon GO Plusで遊ぶ」→「道具やポケモンがたくさん集まる」→「自分がレベルアップしやすくなる」という構図になる。

Pokémon GO Plusでのアクション結果は通知バーに表示
いつの間にか大漁だった

 その反面、手元に置ける道具/ポケモンの上限を上げるため、あるいはPokémon GO Plusだけでも移動距離が加算されるため、有料で販売される上限アップアイテムや、たまごを育てる「ふかそうち」への誘惑がとても強まる。というか、だいたいその誘惑に負けている。もっとも「ふかそうち」への課金はきりがないので、“10kmたまご”(10km歩かないと孵化しないたまご)だけとなんとか我慢している次第だ。

 もちろん「Pokémon GO」のベースになったゲーム「Ingress」にもどっぷりハマっている筆者にとっては、2つ同時に遊べるというのが一番大きなメリット。これはIngressに限らず、他のアプリでも同じこと。また、画面を見ずにプレイできるため、いわゆる「歩きスマホ」を目一杯抑制できるのも大きなメリットだ。

 また、基本的な機能である「ポケモン、ポケストップが近くにあればLEDが光り、バイブで知らせる」というアクションが楽しい。ただでさえ現実世界とリンクするゲーム内容というところに、「Pokémon GO Plus」は、単なる通知という枠を超えて、スマホのなかの世界からリアルにはみ出してきたような印象をもたらしてくれる。

 はたまたそのデザインも、大人にとってはちょっと敬遠したくなる……という声もあるようだが、がっつりプレイする最中には、他のトレーナーへのサインのひとつにもなり得る。つまりコミュニケーションのきっかけ作りだ。友人・知人同士の話題のひとつというだけではない。これまで「Pokémon GO」本体アプリだけでは弱かった、見知らぬ人との出会いをもたらす可能性を強めたように思う。ちなみに「Pokémon GO Plus」を持ち運ぶ際にはクリップかリストバンドを選べる。紛失のリスクを考えると、筆者はリストバンド一択だ。

 気になる点としては、紙の説明書がなく、Web上で各種説明が紹介されていることと、Bluetooth接続のあたり。どちらの「Pokémon GO」のアプリ本体のアップデートを通じて改善が図られているようで、たとえば10月18日には「Pokémon GO アプリを利用してポケモンを捕まえる時、またはジムでバトルをする間、ペアリングが切断されないようになりました」とアナウンスされている。

 ただBluetooth接続/切断については、機種に依存するのか、アプリ側の処理の問題なのか、ユーザーとしては原因がはっきりわからず、手の打ちようがない。筆者の場合、一度切断されると、アプリ上で再接続を試みてもうまくいかないことが多々あった。その場合はアプリと「Pokémon GO Plus」の両方でペアリング設定を解除、アプリをいったん再起動してから、あらためてペアリング……という手順を踏んでいたが、この手段に行き着くまでも頭をずいぶん悩ませた。

 「arrows M03」での利用は、Bluetoothがいつのまにか切断されていること以外は不都合なく、とても快適に利用できている……と書くと、そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれないが、どうやら、Androidのなかにはまったくペアリングができない機種もあるようだ。

 筆者の場合、最初から特に困ることなく使い始めることができたのでなかなか気付かなかったが、試しに他のAndroidスマホに繋げてみようとしたところでようやく気がついた。ちなみにメーカーのなかにはどの機種で使える/使えないといった情報を細かく公表しているところもある。もし動作しない機種であれば、ユーザーからすると歯がゆく思うだろうが、そうした情報公開の姿勢自体はとてもありがたい。

 こうした課題は、きっとナイアンティック、ポケモン社、そして任天堂の関係各社も気付いてはいるだろう。アプリの改善もはかられるだろうが、ユーザーからすると五里霧中の状況に置かれたままというのは辛い。自社サイトを含めたメディア経由での情報公開や、ユーザーからの意見集約の場を設けるなど、次の一手にも期待したい。