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Nokiaがプライベートイベントで披露した新技術、国内展開の可能性
2017年1月13日 07:00
ノキアソリューションズ&ネットワークス(Nokia)が2016年12月に、カスタマー向けプライベートイベント「Connected Future~次世代ネットワークの先にあるビジネスを求めて~」を開催し、5G関連技術などを紹介した。そこで今回は、同イベントからモバイル・固定関連の興味深かった展示について、説明する。
超小型スモールセルと次世代DSL技術を披露
今回のデモンストレーションでは、従来からNokiaが提供していたモバイル関連の展示に加え、仏Alcatel-Lucentの買収により固定関連の展示も目立っていた。特に興味深かった展示として、モバイル関連の「Matchbox radio for DURAN」と固定関連の「XG-FAST」を挙げたい。
DURANは超小型スモールセルソリューションで、独自開発のフィルタ技術により、コンポーネントの統合を大幅に改善し、超小型化を実現している。見た目にも、非常に小さなスモールセルであり、設置場所には困らないだろうという印象を持った。スモールセルの普及が見込まれ、設置場所の確保が重要視される中、ニーズに見合ったソリューションといえる。
ただ、現在のところ、DURANは研究段階とされ、国内市場への投入は未展開であるが、説明員に詳しく話を聞くキャリア関係者の姿もあり、国内市場での導入に期待がかかる。
「Duran 2T2R 2.1GHz FDDプロトタイプ」はLTE/W-CDMA対応で、出力は5W、大きさが1.3リットル、112×161×71mm、重さは1.5kgとなっている。「Duran 4T4R 3.5GHz TDDプロトタイプ」がLTE対応で、出力は1W、大きさが3リットル、160×190mm、重さは3.4kgである。
一方、XG-FASTはDSL技術で、上下合わせて1Gbpsの性能を持つG.fastの次世代版という位置付けで、10Gbps未満のスループットが想定されている。国内市場ではまだ、Proof of Conceptの段階であるが、NTTコミュニケーションズやKDDI、ケイ・オプティコムなどの大手キャリアが導入を検討している模様である。ただ、NokiaはG.fastの標準化でも数年の月日を要しており、XG-FASTの商用化にも2020年頃を想定している。
なお、G.fastはエネルギア・コミュニケーションズが2016年2月に導入済みで、他の電力系キャリアも興味を示しているとされる。G.fastの場合、2017年以降、上下合わせて約1.8Gbpsが登場する計画である。