レビュー

「AQUOS R3」クイックインプレッション

モバイルだからこその体験を増すPro IGZOディスプレイ

 3キャリアでラインアップされることになった「AQUOS R3」は、撮影した動画をリアルタイムで編集してダイジェスト版を作ってくれる「AIライブストーリー」など、いくつかの特徴を備える。

 そうした中で、筆者が注目しているのは「Pro IGZOディスプレイ」の威力だ。

AQUOS R3。今回はドコモ版で試した

 IGZOディスプレイは、これまでシャープのスマートフォンに数多く採用されてきた実績を持つ。より明るく、それでいて消費電力を抑えられるというスペックを備えており、今回の「Pro IGZO」はIGZOの第5世代にあたる。

 たとえば、従来から継承されてきた低消費電力性能と明るさ。バッテリー消費を抑えつつ、より明るく表示できるというのは、モバイル環境だからこそ重要になる要素だ。

 そして「アウトドアビュー」(初期設定でON)は、Pro IGZOの性能を活かして、周囲が明るくても画面が見やすいとうたう。

 今回の試用時は、それなりに晴れた初夏の空のもとで、これからやってくる盛夏と比べれば、まだ日差しは抑え気味という環境。それでも、たとえばiPhone Xと並べて屋外で見比べてみると、肉眼では違いがわかる。なるほど、これは真夏が楽しみだ。

AQUOS R3(左)は、色味が濃く、しっかり出ているという印象を受けた

 これらの要素はまた、Pro IGZOディスプレイの表現力の高さとの組み合わせで、さらに魅力が増す。

 「AQUOS R3」はHDR10、Dolby VisionといったHDRの映像方式をサポートする。それらに対応する作品は、NetflixやAmazon Primeビデオといった「映像見放題サービス」で配信されており、スマートフォンで高品質な映像を楽しめる――というところまでは、わりと他の機種でも同じものがある。でも「AQUOS R3」には10億色のPro IGZOディスプレイがある。色域の広さはもちろんだが、先述した屋外での明るさや低消費電力性能と組み合わせれば、いつでもどこでも気兼ねなく高品質な映像を楽しめるというわけだ。

 有機ELディスプレイを採用するスマートフォンが増える中でも、シャープが搭載することを決めたPro IGZOディスプレイ。ユーザーにとって、スマートフォンに触れることは、すなわちディスプレイを操作し、目にすることでもある。その重要性はあらためて説明するまでもないが、「Pro IGZO」がもたらす魅力は、スマートフォンユーザーにとって見逃せないものがあるだろう。