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「ウイルスバスター」のAI機能、Android向けの最新版でも

 トレンドマイクロは、セキュリティソフト「ウイルスバスター」の最新版を発表した。AI技術を取り込み、Windows、Mac、Android向けに提供される。モバイル向けの価格(1年)は3065円(税込)。

Android向けに機械学習型のスキャン機能

 同社では、これまで2800万以上の不正・迷惑アプリがAndroid向けに登場していると指摘。SMSで「荷物のお届けに上がりました」などといった通知を送り、そこのURLから不正アプリをダウンロードさせるための偽サイトへ案内するといった手口がある。

 今回は、AndroidとMac向けに機械学習型スキャン機能を搭載する。これは、ファイルの特徴を学習、検知するというもの。ファイルの特徴は、侵入の手段やプログラムの書き方などから判別するとのことで、対策ファイル(パターン)に収録されていないような未知の脅威でも検出しやすくする。

アプリ内ブラウザにも

 また不正なサイトへのアクセス遮断について、新たにAndroid版でもいわゆるアプリ内ブラウザからのアクセスをサポートする。アプリ内ブラウザや、Facebook、LINEなどのアプリで取り入れられており、ChromeなどのWebブラウザへ切り替わることなく、1つのアプリでWebブラウジングできる。

 これまでウイルスバスターのiOS版ではアプリ内ブラウザから不正サイトへのアクセスをブロックするようになっていたが、今回、Android版でも利用できるようになった。

Webサイトの当選詐欺、ブロッキングで

 不正アプリだけではなく、最近では、Webブラウジング中に「○○に当選しました」などと、いわゆる「当選詐欺」が表示されることがある。トレンドマイクロでは「パソコンとAndroidなど、プラットフォームごとによって挙動が違う。フィッシングサイトへ誘導したり、不必要なアプリを入れさせようとしたりすることがある」と解説。こうした中で、金融機関を装うといったフィッシングサイトの被害が一番重大になり得るとして、アクセス時に誘導先をどんどんブロックする、といった対策を実施中という。

 そうした当選詐欺は、Webサイトに掲載される広告枠のうち、複数の広告主が多数のサイトへ自動的に出稿できる“広告ネットワーク”を介すものが多いとされる中、トレンドマイクロでは自社の努力だけでは完全に防ぐことは難しいとして、広告事業者などとともに対策する必要があると解説している。