「ちょいテレi」でiPhoneからワンセグを見る!

2011年6月23日 06:00
(白根雅彦)

 今夏、各社からさまざまなAndroid端末が登場する。そのラインナップを見ると、実はその多くが、ワンセグに対応していることに気がつく。サムスン電子の「GALAXY S II」やソニー・エリクソンの「Xperia acro」といったグローバルメーカーによる端末ですら、日本向けモデルにはワンセグを搭載している。

 一方のiPhoneシリーズは、いまのところワンセグを搭載していないし、今後のモデルで搭載する見込みもあまりない。しかしそこは一番売れているスマートフォン、単機種のみでも大きなアクセサリー製品市場があり、「iPhoneでワンセグを見るための製品」もいくつか存在する。バッファローの「ちょいテレi」も、そんなiPhone用ワンセグ製品の一つだ。

 私はすでにソフトバンクの「TV&バッテリー」を持っているが、ちょっと気になったので、ちょいテレiも買ってみた。Amazonで7700円くらい。決して安くはないが、メインで使っているiPhone 4だけでなく、iPadでも利用可能で、もしかすると次世代iPhoneでも使えるかも知れないと考えると、それほど高くはないかも知れない。

 ほかのiPhone用ワンセグ製品の多くは、無線LANでiPhoneにワンセグ映像を送っている。しかし、ちょいテレiは、Dockコネクタに接続して使用する。ここがちょいテレiの最大の特徴だ。無線LANの接続設定の切り替えが不要なばかりか、Dockコネクタに接続すると自動でアプリが起動するという手間いらずっぷりである。

 視聴アプリは、データ放送や録画予約などには対応しないものの、縦横表示切り替えやチャンネルと映像の同時表示などに対応するなど、そこそこ使い勝手が良い。iPad版アプリは、ワンセグを視聴しながらWebサイトを閲覧できるブラウザも搭載している。iPhoneでは、「glif」のような簡易スタンドを使うと、下手なワンセグ内蔵ケータイよりよほど視聴しやすいとすら感じる。

 ちょいテレi自体は20gと非常にコンパクトなので、とりあえずカバンに入れておいて、使いたいときに取り出す、という使い方をする。Dockコネクタに挿さないといけないので、手持ちのときにはちょっと邪魔くさい。また、ちょいテレi自体にも電池が内蔵されていて、充電しておく必要があるので、充電ケーブルに繋いだままカバンに入れるのを忘れる、といったことがないように気をつけないといけない。

 ただ、ちょいテレiをしばらく持ち歩いてみて感じたことがある。出先でワンセグを見る機会は、これまで以上に減っているのだ。私は元々、あまりテレビを見るタイプの人間ではないが、スマートフォンに慣れてからは、その傾向がさらに強くなっている。

 たとえば、待ち時間のちょっとした時間つぶしならば、ワンセグを見るよりもTwitterやGoogleリーダーをチェックした方が有意義だと感じるようになってしまった。あくまで個人的な印象だが、スマートフォンにおけるニッチタイムの使い方として、テレビの魅力はあまり高くない、そう思うのだ。スポーツ中継やニュースの速報など、ワンセグならではのコンテンツもあるが、見たいコンテンツが常に放送されているものではない。まだ持ち歩くようになってから数週間といったところだが、暇つぶしにワンセグを起動したい、と感じたことはほとんどなかった。

 それでも、私にとってちょいテレiがまったく不要かというと、そうでもない。Twitterで興味のあるテレビ番組の話題がでたとき、すぐにワンセグで視聴することができる。地震など緊急性の高い事件・災害が起きたときに、正確で速報性の高い情報収集もできる。また、ワンセグなら画面を操作しないでも映像と音声を楽しめるので、ほかの作業をしながら、という利用方法もある。利用頻度の高いものではないが、予備電池や簡易スタンドとともに、カバンに入れておくと心強い、そんなアイテムである。