パナソニック流のタッチメニュー

2011年3月1日 06:00
(関口聖)

 今や、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)でも珍しくなくなった、タッチパネル機能は、「LUMIX Phone P-03C」にももちろん搭載されている。全ての機能で利用できるわけではないが、タッチパネルで操作できるメニューも用意されており、パナソニックならではの使い勝手の工夫が見えてくる。

 たとえばタッチ操作対応画面のうち、メインメニューは、待受状態で画面に触れれば表示される。スマートフォンなどでは、横や縦にスクロールすると、隣の画面が表示される、といった姿になっていることが多いが、「LUMIX Phone」のタッチメニューはタブ型だ。あるタブでは気象情報(タッチとは関係ないが便利)とショートカットアイコンが表示され、別のメニューではカスタマイズしないデフォルトメニューへアクセスできる。このほかにも、カメラ撮影やそこから遷移するメール作成画面などもタッチ操作対応となっており、特にカメラ撮影はハードキーのシャッターボタンを使う一方、設定変更などはタッチ操作で行い、ハードとソフトのメニューの切り分けがわかりやすい。

 ハードキーで操作する従来型のメニューに加えて、部分的ながらタッチパネルでの操作メニューもいくつか用意されている「LUMIX Phone」は、いわば2つの顔が存在することになる。「ハードキーのほうがフィードバックがわかりやすくて操作しやすい場面も多々あり、タッチパネルと共存できればいい」と考えている関口にとっては、先述したカメラ撮影画面など、非常に興味深いインターフェイスだ。

 その一方で、たとえばタッチ対応操作のメール画面で、ハードキーで文字入力しながら、「送信」などのボタンは画面を押さなければならず、やや煩雑に感じる。また畳んだ状態でキーロックされていて、タッチ操作で解除した場合、解除したらすぐメニュー表示のほうが便利そうだが、今のところ待受画面が表示され、タッチ対応メニューを呼び出すにはもう一回、画面に触れる必要がある。

 便利な場面、そうでもない場面の両方が存在し、タッチ操作とハードキーの共存はまだ道半ば、というの率直な印象だ。スマートフォン投入を明言したパナソニックは、最初にフルタッチ型端末を投入するのかもしれないが、これまで培われてきたテンキー利用のケータイのノウハウを活かすユーザーインターフェイスをどのように作り上げていくのか。そうした業界ウォッチャーの視点からも「LUMIX Phone」は面白い端末となっている。