スマートフォンにはない魅力

2011年1月27日 06:00
(法林岳之)
久しぶりにひとつひとつにクリック感のあるキーを体験。キーの凸感、各列ごとの段差もいい感じ
ミラー調シルバーのメモリ液晶。日時や端末状態もすぐにわかる。G'zGEARとの連動表示にも対応

 昨年秋に各社から発表されたスマートフォンは、いずれも好調なようで、ボクの周囲でもスマートフォンを持つ人が増えてきた。ただ、その一方で、スマートフォンの使い方に関する質問や不満を耳にすることも急増中。「Googleアカウントって?」「電池が持たないんだけど……」「うまくタッチ操作をするには?」「入れたアプリがどっか行っちゃった」「この電話帳、どうすればいいの?」などなど、予想されていたとは言え、やっぱり、新しいモノに戸惑う声はかなり多い。もちろん、そういう声に応えるため、ボクらは書籍を書いていたりするんだけど、正直なところ、それだけではなかなか追いつかないところもある。

 そんな話はともかく、オレのG'zOne。こっちはもう使い慣れたもんだから、迷わないというか、戸惑うこともない。じゃあ、新鮮味がないかというと、そうでもない。使っていく内に、再認識させられる要素も多い。

 たとえば、触りはじめて、すぐにピンと来たのがキー。ここ5年くらい、ケータイはスリム化が進んだけど、シートキー採用の影響で、キーのクリック感が失われてしまった気がする。パソコンのキーボードだって、東プレのRealforceがいいとか、Happy Hacking Keyboardがいいとか、やれCherryの茶軸だ、黒軸だって、こだわってる人が多いのに、ケータイはそんなことでいいのかよって感じだったけど、G'zOne TYPE-Xのキーはきっちりとクリック感を確保している。おそらく、構造上はシートキーなんだろうけど、久しぶりにひとつひとつを押した感じが得られるキーなのだ。キーそのものの凸感も程よいレベルだし、[1][4][7][*]の列、[2][5][8][0]の列、[3][6][9][#]の列がいい具合いに縦方向でオフセットされているので、隣のキーを押し間違うことも少ない。

 2つめのポイントはサブディスプレイ。折りたたみのケータイなんだから、サブディスプレイが付いているのは当たり前だけど、G'zOne TYPE-Xのサブディスプレイは、初期のストレートデザインのG'zOne(C303CAとC452CA)やG'zOne TYPE-Rなどで採用されていたリングを備えたマルチサークルディスプレイ。端末を閉じた状態でのデザイン的な強いアクセントにもなっている。でも、注目すべきポイントは、採用されているディスプレイが常時表示が可能なメモリ液晶であること。おそらく、シャープ製端末などに採用されてきたものと同じメモリ液晶なんだろうけど、常時表示が可能なので、いつでも日時や端末の状態を確認できる。暗いところではサイドライトが自動的に点灯する。そのうえ、メモリ液晶って、ミラー調のシルバーなので、見た目もカッコいいのだ。

 そして、3つめはバッテリーライフ。本誌にも記事が掲載されているけど、1月4日~9日にかけて、2011 International CES取材のため、米ラスベガスに出かけていた。米国なので、GLOBAL PASSPORT CDMAのローミング先になるんだけど、メールを選択受信に設定したうえ、パケット通信もしなかったし、通話も数回のみだったため、実は一度もG'zOne TYPE-Xを充電することがなかった。4泊6日の旅行で、途中30時間近く、飛行機に乗っていたとは言え、このロングライフはかなり心強い。いつか、スマートフォンもこれくらい持つようになってくれれば、いいんですけどねぇ。