128K通信をカーナビで使うには
本来なら、IS01の話を書く予定だったんだけど、今回はちょっと逆戻りして、前シーズンで取り上げていたN-04Bをカーナビで使う話を紹介。
最近のカーナビにケータイが接続できるというのは、みなさんもよくご存知の通り。ハンズフリーだけでなく、道路交通情報などのプローブ情報を送受信することで、空いている道を探したり、道路工事などを避けることができる。その他にも天気予報の受信や音楽CD取り込み時のCDDBの参照、周辺情報の検索など、意外に使い道は多い。
ただ、カーナビでのデータ通信はパケット通信料が掛かる。料金は基本的にパソコンを使ったときと同じ扱いで、パケ・ホーダイ ダブルなどのパケット通信料定額制サービスの対象外になり、使った分だけ、パケット通信料が請求されてしまう。筆者が使うパイオニアのカロッツェリアのページに掲載されている例では、都市部を月に約700kmくらい走ると、パケット通信料は約2200円程度(1パケット0.08円の計算)になるという。
そこで、何とか定額の範囲内で使う手がないかと考え、導き出したのがNTTドコモの提供する「128K通信」を使う方法。128K通信はパケ・ホーダイ ダブルのフルブラウザ利用時及びスマートフォン利用時の範囲に含まれるため、パケット通信料の上限は5985円になる。
128K通信を利用するには、端末とカーナビへの設定、対応プロバイダとの契約(mopera U)が必要だ。端末にはデータ通信時の接続情報を登録するんだけど、端末のみでは設定ができず、パソコンとUSBケーブルなどで接続して、ドコモコネクションマネージャで設定する(参考ページ)。このとき、端末にはパケット通信の接続先情報(APN)がメモリ番号(cid)に登録されるのだが、128K通信で使うAPNの「mpr.ex-pkt.net」は、通常、4番目(4#)に登録される(2009年秋発表以降のx-0xBシリーズ以降は出荷時に設定済み)。
続いて、カーナビへの設定は、128K通信用の接続設定を新たに手動で追加する。注意したいのは接続先電話番号、IDとパスワード。FOMAのパケット通信の場合、接続先電話番号は通常、「*99***1#」が設定されているが、末尾の「1#」はcidのメモリ番号の1番を指しているため、ここではドコモコネクションマネージャで設定した「4#」に置き換える。また、IDとパスワードは、mopera Uで契約したIDとパスワードを設定する。あとはいつものように、ケータイをBluetoothで接続して、N-04Bのディスプレイ画面に「パケット通信中 mpr.ex-pkt.net」と表示されれば、無事に128K通信ができていることになる。
通信時の体感速度はあまり速くないけど、実用面ではまったく問題なし。おそらく他社のカーナビでも同様の設定で利用できるようになるはず。mopera Uの月額使用料もiモードを契約していれば、ISPセット割で実質的な負担も増えない。ただ、auは「カーナビ用料金オプション」、ソフトバンクも「カーナビプラン」を共に月額210円で提供しているので、NTTドコモにはもっと頑張って欲しいところなんだけど……。