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「App Store」で一番高い買い物
KDDI総研 藤原正弘
 KDDI総研 第二市場分析室。専門は情報通信全般の社会・経済分析ということになっているが、まだネットワーク経済を勉強中の学生の身でもある。最近は、コンテンツ産業の調査にも手を出しており、「アキハバラ」にも馴染みたいのだが、なかなか踏み込めない二人娘の父親でもある。


iRa PRO

10万円で販売されているiPhone用アプリ「iRa PRO」
 昨年、iPhone 3Gがデビューして以来、端末の話題もさることながら、AppleのApp Storeの話題が毎日のようにIT系ブログの記事になっている。どのアプリが一番ダウンロードされたかとか、すでにPCやビデオゲームにあったソフトのiPhone版ができたとか、内容はもうさまざまである。玉石混淆な話題の中、「玉」(?)を見つけたのでショーウィンドーから眺めてみよう。

 昨年末、米Lextech Labs社が販売し始めた「iRa PRO」は日本円にして10万円という値段がついている。日本でも使えるかどうかよくわからないが、iTunes Storeで検索すると、ちゃんと出てくるのでみなさまもご覧あれ。ただし、いつものくせで気軽に購入ボタンを押さないようにご注意願いたい。

 さて、このiRaがどんなアプリかというと、いわゆる監視カメラのビューアーだ。iPhoneで見るニーズがどれほどあるのかわからないが、多くは外出先や仕事場から留守宅の様子を見るといったものだろう。Lextech Labs社のサイトではデモの映像があるが、そこでは、自宅のガレージの様子や、道路の渋滞状況などが映っていた。

 こういったサービスを利用するには、当然、ビデオカメラの設置や、カメラからの映像を編集し配信するサーバー設備が必要になるが、もちろん10万円には含まれていない。


スクリーンショット

 ただ見るだけで10万円かと思うと高いが、そこはiPhoneアプリ、案の定、ただ見るだけではない。iPhoneの十八番、タッチパネルの操作で映像の選択やカメラの操作が直感的にできるのだ。

 初期状態では、6つのリアルタイム映像が表示されているが、スワイプ操作(指で画面を掃くような操作)でページを繰るように次の6つの映像に移ったり、タップ操作(指で画面をポンと叩く操作)で1つの映像をフルスクリーンに拡大できる。1つの映像に絞った場合は、そこから、今映しているカメラの向きを上下左右にパーンさせたり、ズームイン、ズームアウトも指1本で思いのまま。このあたりがiPhoneアプリとしての真骨頂だ。

 もう1つおまけは、映像のスナップショットが撮れること。何か怪しいと思ったときに警備会社にそのスナップショットを送ることもできる。

 というわけで、ゲームやSNS系のアプリで溢れるApp Storeにも、こうした重量級のアプリケーションが出てくるようになってきて、蚤の市のような楽しさが出てきた。



URL
  iRa(英文)
  http://lextechlabs.com/ira


KDDI総研 藤原正弘)
2009/01/28 12:36

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