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ケータイによる“つながり”
KDDI総研
斎藤隆一
KDDI総研 総務企画部企画グループ。専門は情報通信のマーケティング調査だが、最近は情報通信がコミュニケーション行動に与える影響や地球温暖化問題等に関する調査も担当し、研究範囲を拡大中。
現代の若者に見られるコミュニケーションの特徴について、多くの有識者や学者が「若者が求めているのは、相手との濃密なコミュニケーションではなく、『つながること』それ自体である」と指摘している。その結果、彼らのケータイによる通話やメールでのやり取りも「今、どこ?」「何してる?」という情報交換に終始し、内容のあるコミュニケーションには至らない傾向が強いという。
例えば、同じテレビ番組を見ながらメールで延々と番組の感想を言い合うといった具合だ。また、彼らのコミュニケーションの相手先も昔とは大きく変化しているらしい。
現在30代以上の人であれば、小学校や中学校の時の友人といまだに連絡を取り合っているというケースはまれなことだと思う。その時はどんなに親しかったにせよ、年齢や環境の変化に応じて友人も変化するし、なにより相手の連絡先を忘れてしまうことが多いからだ。
しかし、今の20代の若者にとっては10代の時の友人と連絡を取るのは容易なことだ。自分のケータイにはそうした友人たちの電話番号やメルアドも保存されているからである。小学校、中学校時代の地元の親しい友人は「ジモティ」と呼ばれ、大学に入学し、就職してもその関係は変わらずに維持されていく。最近、若い人達が、集団で、地元で開催されるヨサコイや阿波踊りに参加をしたり、あるいは成人式へ出席したりすることが多いのも「ジモティ」というコミュニティが大きく関係しているのかもしれない。
そんな地元の仲間といつでもつながっていたいという欲求を満たすサービスが、アメリカで注目を集めている。2006年9月からBoost Mobile社が開始したLoopt(ループト)がそれである。ケータイのGPS機能を利用して、あらかじめ設定した友人のグループ内で、メンバーの位置情報や現況(「今、ここでこれをしている」)をリアルタイムで共有するサービスだ。
具体的には、外出先でLooptを用いて自分の近くに友人がいるのを見つけたら「一緒にランチしよう」と誘ったり、よくみんなで集まっているカフェに複数の友人がいるのを確認してそこに合流したり、といった利用がなされているようである。
40代の筆者にとっては常時監視されているようで、なんとも落ち着かないサービスのように感じるが、読者のみなさんはどのように思われるだろうか?
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URL
Loopt
http://www.loopt.com/
(
KDDI総研
斎藤隆一)
2008/08/27 11:17
ケータイ Watchホームページ
ケータイWatch編集部
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