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ペンギンあれこれ
KDDI総研
藤原正弘
KDDI総研 第二市場分析室。専門は情報通信全般の社会・経済分析ということになっているが、まだネットワーク経済を勉強中の学生の身でもある。最近は、コンテンツ産業の調査にも手を出しており、「アキハバラ」にも馴染みたいのだが、なかなか踏み込めない二人娘の父親でもある。最近のレポートは、
KDDI総研R&A誌
「ヘドニック価格分析による携帯電話の機能評価」(2005年11月号)、「プラットフォームビジネスにおける企業連携」(2006年3月号)など。
W61CAのメニューに登場するペンギン
いろいろお世話になっているケータイメールの研究をしているK先生は、かわいいペンギン好きだ。顔文字や絵文字は研究対象ということもあるが、一つ一つのデザインについて手厳しい。先生がキャリアを変えないのは、他社のペンギンの絵文字がかわいくないからなのだそうだ。
以前は、ケータイ3社の絵文字の互換性がなかったが、今はコード変換して一応「絵」が表示されるようになった。ところが、各社で結構デザインが違っているので、絵文字対応したことがいいのかどうか、難しいところだという。つまり、絵文字を使うのは、言葉で表現しにくいニュアンスを伝えるものだが、こちらで見ているペンギンと送った相手が見ているペンギンで形や表情が違っていると、かわいいペンギンに託した自分の気持ちがちゃんと伝わらない、もしかすると、違ったニュアンスが伝わってしまう、ということなのだ。
かわいいペンギンといえば、カシオのケータイのペンギンはかわいい。「ケータイのペンギン」といっても、知らない人には何のことだかわからないかもしれないが、カシオのケータイには、待受画面のほか、さまざまな画面でアデリーペンギンのキャラクターが活躍するのだ。何代か前の端末からペンギンが使われているが、最新機種ではさらにパワーアップしている。キャラクターのペンギンは本にもなっているので、書店で見かけた人もいらっしゃるだろう。かわいいキャラクターが、端末というどちらかというと無味乾燥な機械に親近感をもたせ、また、使い方をガイドすることで、より幅広い利用者に受け入れられるのだろう。
さて、海のむこうのペンギンといえば南極……と行きたいところだが、南極のケータイネタは聞いたことがない。残念だが、アメリカはペンシルバニア州ピッツバーグに舞台を移そう。
ピッツバーグでペンギンといえば、そう、アイスホッケーのピッツバーグ・ペンギンズだ。ペンギンズは現在東カンファレンスのプレーオフ準決勝進出を決めている強豪だ。アイスホッケーは米国やカナダでは人気プロスポーツで、野球(MLB)やフットボール(NFL)のように地域にしっかり根を張っている。しかし、それには小さな努力の積み重ねがあるのだ。その一つを紹介しよう。
ペンギンズは若者のファンを育てるために、学生に限定したチケット会員サービスを運営している。ペンギンズのホームゲームで試合当日のチケットの売れ残りがあると、会員に「チケットあり」のメールが送られるのだ。それも、100ドルの席が20ドルとぐっと割安になるという。現在2,000人くらいの会員がいるそうだが、みんなラッキーなチケットが買えないかと待っている。
実際、強豪の人気チームということもあって、チケットが売れ残っていることは滅多にないらしく、会員になっても、そうそうチケットはまわってこないらしい。それではいけないということで、人気選手のサイン入りパックプレゼント(もちろん抽選)のメールを流したりして、会員を引き留めている。
人気チームなので貧乏学生を相手にしなくてもよさそうなものだが、こうやって学生のころからファンを育てておくことで、いずれは年間チケットを買ってくれるお客さんになってもらおうという目論見なのだ。
運良く購入できた学生は、試合が始まるまでに行けばよく、以前のように当日券を求めて試合会場に朝から並ぶ必要はなくなったそうだが、友達同士で何時間も行列に並ぶのも必ずしも無意味ではないかも。というか、それもまたいい思い出だなあと、20何年前の我がことを思い出した。
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URL
ピッツバーグ・ペンギンズ(英文)
http://penguins.nhl.com/
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(
KDDI総研
藤原正弘)
2008/04/30 11:35
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