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ケータイとプレイボーイの関係
KDDI総研 藤原正弘
 KDDI総研 第二市場分析室。専門は情報通信全般の社会・経済分析ということになっているが、まだネットワーク経済を勉強中の学生の身でもある。最近は、コンテンツ産業の調査にも手を出しており、「アキハバラ」にも馴染みたいのだが、なかなか踏み込めない二人娘の父親でもある。最近のレポートは、KDDI総研R&A誌「ヘドニック価格分析による携帯電話の機能評価」(2005年11月号)、「プラットフォームビジネスにおける企業連携」(2006年3月号)など。


 いよいよ3月もあとわずか、関東はレンギョウ、コブシ、サクラといっせいにつぼみがふくらみ、すっかり春模様。それに釣られて、今回はお色気のある話題をお届けしよう。

 この3月に発表された米Pew Internetの調査によると、米国もいよいよモバイル・インターネットの夜明けを迎えた、と書いてある。彼らの表現を借りると、“no longer slow and stationary, but now fast and mobile”ということ。日本や韓国をはじめとしてアジア諸国が突っ走り、欧州もやや遅れて追随しはじめたところ、米国はなかなか立ち上がらず焦っていた感じがよくわかる。

 具体的に数字を見てみると、ケータイやPDAを持っている人の31%は普段からケータイでメールを使い、15%はカメラとして使い、ゲームをする人も8%、Webサイトにアクセスしてニュースや天気などの情報サービスを利用する人は7%となっている。特に、10代~20代の若者層では、メール(60%)、カメラ(31%)、ゲーム(16%)、音楽再生(16%)、Web(14%)と、かなり利用されているのだ。

 また、なくなったら困る「モノ」の順位もここ数年で大きく変動している。2002年の時点では、1位が固定電話。63%の人が電話なしでは生きていけない! と言っている(筆者がかなり脚色)。いかにもライフラインの地位にふさわしい。2位がテレビの47%。これもメディアの王様の貫禄だ。その後に、ケータイ(38%)、インターネット(38%)、Eメール(35%)となっていた。

 これが、今回の調査では、1位が堂々ケータイ(51%)。2位がインターネット(45%)。3位がテレビ(43%)。4位が固定電話(40%)。5位がEメール(37%)と大きく変わってしまったのだ。

 固定電話が落ちぶれてしまったのは、まあ、仕方ないとして、それよりも、1位のパーセンテージが10%以上下がり、全体として差が小さくなっていることに注目したい。つまり、多様なコミュニケーションメディアの台頭により、絶対的なメディアがなくなってきたのだ。でも、この絶対的でないという意味は、世代間での違いが全体の偏りを均しているという意味で、ひとりの人が多様なメディアを使いこなしているか、というと、それは疑問だ。世代別で見ると、29歳以下の若者では、ケータイ(62%)、テレビ(33%)、固定電話(25%)となっているが、65歳以上では、固定電話(60%)、テレビ(58%)と世代間のデジタルデバイドが少なくないことを示しているのだ。


 とまあ、米国の現状をお勉強した上で、お待たせ、「お色気」の話題に入ろう。

 米プレイボーイ誌は、雑誌を中心にインターネットでも有料コンテンツを提供して久しいが、しばらく前からケータイサイトにも進出していた。それが今回、ケータイでのプレイメイト選出のキャンペーン「ミス・プレイボール・モバイル」に打って出たのだ。日本では、今どきケータイで投票するキャンペーンは珍しくないが、米国では、これまでそんなキャンペーンを打っても誰も見る人がいなかったろう。こうした動きをみると、本当に市場が拡がってきているんだと納得できる。

 現時点で、10人のミス・プレイボーイ・モバイルの候補が絞られ、ケータイのWebサイトから彼女たちの写真を見て投票できる。なお、締切は3月31日とあとわずか。ただ、日本からもサイトにアクセスして投票できるが、機種依存の機能なんだろうか、写真が小さいままで、せっかくの容姿が……。それでも、よく見てみたい人はPCからどうぞ。ちなみに、サイトはレイティング対象にはなっていないようだ。



URL
  Pew Internetの調査レポート(英文)
  http://www.pewinternet.org/PPF/r/244/report_display.asp
  Playboy Mobile(英文)
  http://www.playboy.com/magazine/mobile/


KDDI総研 藤原正弘)
2008/03/25 11:24

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