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環境に優しい? ソーラーパワー携帯が中国で登場
KDDI総研
飯島利絵
KDDI総研 調査1部 市場環境調査グループ。専門は国内外の情報通信市場の日々の動向を情報収集、分析。学生時代はハワイおよび米国に滞在していたが、最近はアジアにも出掛けるようになり、旅先で通信事業者の広告や日本とは違った携帯端末を発見するのが楽しみである。最近のレポートは、
KDDI総研 R&A誌
「<図解> 世界のブロードバンド回線の普及状況」(2007年4月第1号)。
あれ? もう電池バーが1本しか残ってない! そういえば昨日、充電してなかった……。こんな思いをしたことのある方も多いかと思うが、“光”のある場所ならどこでも充電ができる携帯電話が中国で登場した。
「光能手机“昶(チャン)”」(HTW S116)として中国の端末メーカーの恒基偉業(HiTech Wealth)が2007年5月に発表したこのケータイは、太陽光のみならず、ローソクのようなかすかな明かりでも充電が可能だ。太陽光だと60分の充電で40分の通話が可能という。製品化されたのは「世界初」と謳うこの“光充電式”ケータイは、米Motorolaの「Razr」にも似た二つ折り型で、写真のように前面がソーラーパネルになっていて、受け口上面のディスプレイからは一目で充電された電力値を確認できる。パネルに厚みもなく18.5mmと一般的で、重さも約140g。それに加えて130万画素のカメラ搭載、MP3再生対応と多機能でもある。
恒基偉業(HiTech Wealth)のWebサイトより
一見、物珍しいアイデア・ケータイと思いきや、このケータイが発表された同じ5月にMotorolaは、太陽電池とモバイル機器用液晶ディスプレイの組み合わせに関する特許を取得している。これはディスプレイそのものが充電パネルだが、太陽エネルギーなどを利用した光充電式というのは、実はこれからブームを呼ぶのかも知れない。
中国のケータイ加入者は4億人を突破したものの、普及率は35%ほど。そのケータイ4億台を2日に1回充電するとしても、年間の電力消費量は14.6億キロ・ワットに上り、長江にある葛洲ダム発電所の年間発電量の約8%に当たるという。IT業界ではCO2削減への取り組みが一つのトレンドだし、中国を始め世界各国で光充電式端末が普及すれば、相当な電力節約につながる。
そんなエコな未来を考えつつ、ローソクの明かりでも充電可能なこの“光能手机”なら、ハワイ島のマウナケア山頂で満天の星空の下、きっと充電できるだろうなぁと白日夢にひたっている筆者であった。
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URL
恒基偉業(HiTech Wealth)
http://www.htwchina.com/htwtE/
(
KDDI総研
飯島利絵)
2007/07/25 11:10
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ケータイWatch編集部
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