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インドで人気のケータイコンテンツとは
KDDI総研
齋藤豪助
KDDI総研 第二市場分析室。専門は欧米・アジアを中心としたモバイル・ブロードバンドに関する市場調査研究および国内情報通信産業に関するマーケティング調査。最近では、インドのデジタルコンテンツ産業について、現地への取材調査を実施。最近のレポートは、
KDDI総研R&A誌
「韓国のケータイゲーム事情~GPANG(KTF)とGXG(SKT)」(2006年9月第2号)、「英国のモバイルTV事情」(2006年8月第2号)など。
インドで人気の娯楽といえば、まず何といっても歌や踊りに満ちあふれた「インド映画」(インド映画は、米国の「Hollywood」をもじって「Bollywood」と呼ばれている)と、野球に似た国民的スポーツ「クリケット」をおいてほかはないだろう。
当然、インドのケータイコンテンツでも、映画やクリケットに関連したコンテンツに人気が集中しており、特に映画関連のケータイコンテンツは、「Bollywoodコンテンツ」と呼ばれ、たいへんな人気ぶり。
「Bollywoodコンテンツ」には、ショートムービー・映画音楽の配信、有名女優・俳優の壁紙、着メロ、映画を題材にしたゲームなどがある。インドでは、こうしたBollywood映画関連のケータイコンテンツの総称として、「Bollywoodコンテンツ」の名称が使われている。
例えば、映画「Aetbaar」は、ラブロマンス、シリアスドラマ、そして何人ものバックダンサーを引き連れて主人公が歌い踊るミュージカルの各要素をごちゃ混ぜにした、いかにもインドらしい、何でもありの映画。これだと、一体どんなゲーム内容になるのか、自然と期待がふくらむ。
ところが、画面を見ると少々がっかり。
概要説明のページ
にある画面を見ると何となくお分かりいただけるように、主人公(Aryan)を操作して、落ちてくる壷や靴をかわしながら、ヒロイン(Ria)が投げるバラを集めてひたすら得点を競うという極めてシンプルなゲーム。まるで、一昔前のゲームウォッチのようなゲーム内容だ。
気を取り直して、クリケットゲームはというと、他のスポーツゲーム(サッカー、テニスなど)を差し置いてコンテンツの種類が充実している。例えば、インド最大手のゲーム会社indiagames社のケータイゲーム配信サイトでは、
クリケットゲームの専用コーナー
が設けられ、クリケット1種目のみで7つものゲームが用意されている。
また、グラフィックは美しく、リアルなものが多く、人気のすごさは十分伝わってくる。ただ、日本では、「クリケット」は“超”の付くマイナースポーツ。そのため、ルールがイマイチわからなく、これらのゲームがすごいのか、そうでないのか判断が難しい。
このほか、クリケット関連の人気ケータイコンテンツには、インドの有名クリケットプレイヤーSachin Tendulkar選手(誰?)がユーザーに直接語りかけるメッセージサービス(IVR)といった変わり種コンテンツもあり、クリケットがインドのケータイコンテンツ市場を牽引するのに一役買っていることは確かなようだ。
着うたフルやプレイステーション並みのケータイゲームに慣れすぎてしまっている私たち日本人にとって、インドのケータイコンテンツは、イマイチ物足りない印象を受けるかも知れないが、今回紹介したように、日本には存在しないタイプのコンテンツによって、インド独特のケータイコンテンツ市場の一角が構成されているのだ。
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URL
Indiagames.comのゲーム配信サイト(英文)
http://mobile.indiagames.com/
(
KDDI総研
齋藤豪助)
2007/02/09 12:12
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