世界のケータイ事情セレブとケータイ節約術

連載バックナンバー

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セレブとケータイ節約術

KDDI総研　山條朋子
KDDI総研制度・政策グループ。海外の情報通信に関する制度・政策および市場動向についての調査を担当。最近のレポートはKDDI総研R&A誌「欧米のFMCサービスの動向」（2009年2月号）。オバマ大統領にならって、今年は「Change!」の年にしようと決意。これまでに変えたのは部屋のカーテンとケータイ。次はテレビか自転車を予定（このままだと単に「Shopping!」の年になりそうな気が……）。

T-Mobileのホームページ。携帯電話料金の節約キャンペーン「Mobile Makeovers」が展開されている

　不景気に比較的強いと言われる通信業界。米国でも、これまでのところ通信事業者の大型倒産や公的資金投入といったニュースは出てきていない。それでも、固定電話を解約する動きが加速したり、契約不要で月額料金のかからないプリペイド型ケータイに切り替える人が増えるなど、消費者の間では節約ムードが高まっているようだ。

　そんな消費者の声に応えるかのように、米携帯業界第4位のモバイルキャリアT-Mobile USAは、携帯電話料金の節約キャンペーン「Mobile Makeovers」を5月20日から開始した。このキャンペーンは、携帯電話やガソリンなどの料金比較サイトを運営するベンチャー企業、BillShrinkとのタイアップにより提供されている。

　利用者（T-Mobile加入者でなくてもよい）は、BillShrinkのホームページで、携帯電話番号と請求書のオンラインアカウントを入力するか、月額料金、利用分数、利用しているキャリア等のデータを自分で入力する。すると、最も多く電話をした相手先やネットワーク（事業者）などの利用状況を分析したグラフと、利用状況に合ったお勧め料金プランの一覧が表示される。合わせて利用者の地域における各キャリアのカバレッジ（電波受信状況）も示される。

　BillShrinkが提示するお勧め料金プランは、現在利用しているキャリアのものとは限らない。従ってこのキャンペーンの結果、T-Mobileは、現在の加入者が他事業者にチャーンアウトしてしまう可能性もあるわけだ。顧客満足度調査で常に上位にランクインするT-Mobileとしては、「我が社のサービスに自信あり！」ということをアピールする機会でもあるのかもしれない。

　さて、私がこの「Mobile Makeovers」のニュースに注目した理由はもう1つある……というか、実は節約云々よりこっちの方が個人的にはウケたのだが、このキャンペーンのイメージキャラクターとして女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズが再び登場したのだ。「再び」と言われても米国ケータイ業界通（もしくは彼女のファン）しかわからないと思うが、T-Mobileのキャンペーンにキャサリン・ゼタ・ジョーンズが起用されるのは、今回で2回目なのだ。

　T-Mobileといえば、大手と比べて割安の料金プラン、若者向けサービスといった特徴を持つキャリアで、ハリウッド女優のゴージャスなイメージとはちょっとミスマッチなように思える。かつて一旦契約を打ち切った際も、T-Mobileの目指す庶民派路線にそぐわない、という点も理由の1つも挙げられていたように記憶している。それなのに今回の再登板となったのは、一体どういうわけなんだろう？　「セレブ」と「節約」の組み合わせという意外性を狙ったもの？　それとも、キャサリン・ゼタ・ジョーンズは、実はハリウッド随一の節約上手としても知られているのだろうか？

　BillShrinkのサイトを見ながら、パートナーのマイケル・ダグラスと「こっちの料金プランの方がお得ね。変更しましょう。」とか相談しているキャサリン……やっぱりちょっと想像しにくい。T-Mobileとキャサリンの間に何か切っても切れない関係でもあるのだろうか？　一応、彼女はT-Mobileの熱心なユーザーという触れ込みだが、それなら、Sidekick（T-Mobileが提供する多機能モバイル端末）の愛用者として知られるパリス・ヒルトンを起用する方がまだ納得できるような気がする（節約のコンセプトとは合わないけど）。

　読者の方で、T-Mobileとキャサリン・ゼタ・ジョーンズの間の隠れた（？）結びつきについて何かご存知の方がいれば、ぜひその真相をご一報いただきたい。

■ ＵＲＬ
　 T-Mobile USA（英文）
　 http://www.t-mobile.com/
　 BillShrink（英文）
　 http://www.billshrink.com/

（KDDI総研　山條朋子）
2009/05/28 11:58

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