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どこでもプレゼン。3Mの超小型プロジェクター「MPro110」
3Mの「MPro110」。ついに大手3M社も超小型プロジェクター市場に参入。実売価格は3万円台後半~4万円前後
iPhoneより少し大きい程度のコンパクトボディと、重量級腕時計とさほど変わらない重量は画期的だ
昨年暮れは、なぜかマイクロ・プロジェクターの発表・出荷ラッシュだった。筆者を含め読者の中にもそれほどの需要があるのか不思議に思っている方々も多いだろう。しかし、そんなことは調査会社のコンサルタントのお偉いさんに任せ、ユーザーは「How To Enjoy?」を考えれば良いのだ。
3M社が年末に発表したMPro110は筆者実測で重さ155g。最近、筆者愛用の腕時計より30gだけ重い。なんと従来の軽量LCDプロジェクターの10分の1以下の重量だ。外形サイズはiPhoneよりほんの少し大きい程度。専用ACアダプターを用いて内蔵リチウムイオン充電池を2時間充電して約1時間駆動できる。
この程度のサイズになると、プロジェクター本体を手に持って、各種コンベンションの立食パーティタイムにテーブルクロスに投影して、VIP狙い撃ちのショートプレゼンテーションを画策できるだろう。タッグを組むのは昨今流行のミニノートパソコンが最適だろうか。こういうシチュエーションを考えると、無い物ねだりで“オートフォーカス機能”が欲しくなってくる。
MPro110の最大のイノベーションは「超軽量」「電池駆動」、そして「実売価格」の3点だ。既に我々が遭遇する多くの出回り先である企業や学校には、新旧は別にしてLCDプロジェクターの用意のあることが多い。MPro110の活躍場所は、前述のパーティ会場や、ファミレス、喫茶店、宿泊ホテルの部屋など「On The Way」で3~4人が対向する席、従来のプロジェクター製品がカバーしていない“即席ミニプレゼンテーション”の場なのだ。
ホームデジタル秤で測定してみた。155gだった
前面には投影のためのレンズとピント合わせのための小さなダイヤルがある
側面にはパワースイッチ、後面にはVGA入力ポートとビデオ入力ポートがある
実際の映像を投影するにはMPro110に三脚を取り付けた方が確実だ
自宅リビングでの投影準備中。室内が明るいため映像はボケて見える
部屋の電気を消すとテストパターンの映像も圧倒的な鮮明度で表示
多少オフ気味の室内照明環境で、MPro110を使用し、近接する白っぽい壁面に映像を投影するならけっこう快適だ。壁の代わりにA4 サイズの無地のノートを持ち歩き、利用しても良いだろう。A4 サイズなら開いてA3サイズ(約20インチ)の即席スクリーンとなる。ロイヤルホスト等のファミレスの4人席なら理想的プレゼン会場だ。
筆者は自宅のリビングで、不要になった2008年12月のカレンダーを1枚ちぎって二つ折りにして即席のスクリーンとして使用した。AV出力のあるごく普通のデジカメや携帯型DVDプレーヤーなら即座にMPro110を便利に活用できる。付属の「RCAメスメス・アダプタ」でビデオケーブル同士を接続するだけで、即座に映写可能だ。iPhone用のビデオケーブルがあいにく手元になかったので試すことはできなかったが、これも同様に可能だろう。
意外にも厄介なのは最もオーソドックスなパソコンを使用したプレゼンテーションだ。普通に考えて、片手にMPro110を持って、もう一方の手にパソコンを持ってのプレゼンには無理がある。映写対象がパソコンの場合はやはりMPro110をテーブルに置いてごく普通のプレゼンスタイルになってしまう。
接近した仮スクリーンに映像をひずみなく正しく投影するには、MPro110を比較的小さな三脚に取り付け、投射位置を上げる必要がある。本体付属のVGAケーブルは重くて丈夫すぎて、超軽量のMPro110本体を引きずり倒すことが何度もあった。よりフレキシブルで軽量なVGAケーブルが必要だ。それがあれば、MPro110 を手に持ってのプレゼンも可能だろう。VGAケーブルの問題を除き、ごく普通のパソコンをMPro110に接続してのプレゼンテーションは有効だ。
7インチのコンパクトDVDの映画も20インチ以上の画面で見られる
普通のノートパソコン(ThinkPad X300、重量1.4kg)だとややアンバランスだが、これがごく普通のビジネスマンのプレゼンテーションスタイルのはずだ
どんな解像度のPCでもVGAにして投影してくれるので、細かい不満はさておき、まず便利だと思う
超軽量のプロジェクターが目指すゴールは、やはり携帯電話とのハイブリッドになるのだろう。ただし、筆者は過去の経験から、何でもくっつければ便利だろうという思い込み発想は危険だと考えている。21世紀の今も、技術的に「できる」と、使って「便利」は全く別のことなのだ。
近く、個人的なプロジェクトの打合せが少人数であるので、MPro110の初陣としたい。そして、毎週1回ある出張では、2時間ほど乗車する特急列車の中で、薄く削られた駅弁の木のフタを立てかけて、それにコンパクトDVDプレーヤーの映画を映してセルフの車内サービスを楽しみながら移動したい。長編なら、続きは宿泊ホテルのベッドに寝転んで、と考えている。
住友スリーエム社のマイクロ・プロフェッショナル・プロジェクター MPro110は、意外とプロフェッショナルではない素人発想が、使い勝手の広がりを与えてくれるかもしれない。持ち歩いて自慢して楽しいSEEDプロダクトだ。見た人、体験した人の数の多さが新しい発想の芽となるだろう。
ファミレスにおけるボックスシート・プレゼンには間違いなく効果を発揮するだろう
付属VGAケーブルは重くて堅く、155gのMPro110を一瞬の内に転倒させる。今後の改善を期待したい
PowerPoint画像をJPEGにしてデジカメ転送、プレゼンするのも良いアイデアだ
商品名
発売元
実売価格
3Mマイクロ プロフェッショナル プロジェクター
「MPro110」
住友スリーエム
3万7086円(amazon.co.jp)
【PR】Amazon.co.jpで購入
(ゼロ・ハリ)
2009/02/04 11:08
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ケータイWatch編集部
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