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これひとつで話が広がる、懐かしい「どうぶつのり」
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つぶらな瞳が人気のフエキ「どうぶつのり」。1975年発売
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外資系のIT企業に何十年も勤めていた筆者だが、実は理系科目は小学校の時から大の苦手だ。そんな筆者にとって、図画工作の授業時間はゴールデンタイムだった。アルミ板を切ってアタッシュケースや旅行トランクまで自作してしまう親父の影響もあって、立体モノの貼り付け工作は得意中の得意だったのだ。
当時、学校で貼り付け工作といえば、のりは「フエキ糊」に決まっていた。創業からすでに120年を超える不易糊工業株式会社は、大阪の郊外、八尾市にある。ロケーションの関係か、フエキ糊の知名度は西日本地域の方がずっと高いようだ。東日本系はフエキ糊よりも、「ヤマトのり」がメジャーのようだ。
フエキ糊の特徴は、使用している「天然でんぷんのり」にある。ホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンを一切使用していない安全な糊だ。そのため、幼稚園や小学校での採用実績が多い。
子供でも使いやすい底の浅いパッケージや、幼児でも簡単に開閉できる大きな使いやすいふた、ふたをなくさないようにふたと本体が分離しない構造など、安全性と使う人に最適化したユーザインターフェイスがよく考えられているのが大きな特徴だ。
そんなフエキ糊のベストセラープロダクツが1975年に発売された「どうぶつのり」だ。「犬」のような動物が野球帽をかぶったシンボリックでカラフルなパッケージは、1975年当時は画期的だった。
関西の小学校に通学していた子供が東京圏の小学校に転校し、図画工作の時間に、首都圏の子供が今まで見たこともない「どうぶつのり」をランドセルから取り出したら、と想像したことがある。赤いキャップをかぶった犬のつぶらな瞳が、チューブタイプののりしか見たことがない子供に与えたインパクトの大きさは想像するに難くない。
実用的な道具として、「どうぶつのり」を使い切った後もまだまだ楽しみは終わらない。きれいに洗えばパッケージは文具系の小物入れに、わんちゃんの後頭部の指定された出っ張り部分を切り取れば、パッケージは貯金箱に変身する。
フエキ「どうぶつのり」は園児・学童用だが、オフィスに置けば、関西人は子供時代を懐かしむきっかけに、関東人にはかわいさで目をひく癒しアイテムとして、オフィスの潤滑剤になること請け合いだ。
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現代の最前線のスティック糊と今年33歳になる「どうぶつのり」
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自分の周囲をオールディーズな文具で固めたくなる「どうぶつのり」
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ソフトで安全な天然でんぷんのりには専用のスティックも付いている
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筆者が最近最も愛用しているドイツ・ステッドラー社の子供用万年筆。どうぶつのり」とのコンビネーションは最高だ
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商品名 |
購入価格 |
販売元 |
どうぶつのり |
178円 |
不易糊工業 |
■ URL
「どうぶつのり」製品情報(不易糊工業)
http://www.fueki.co.jp/30_products/seihin_01_02.html
(ゼロ・ハリ)
2008/11/05 10:59
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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