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いやーん!と言われても決して返してくれないハッピー・ホルダー
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ちょっと変だが一見普通のキーホルダー
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日本各地の空港には、後になって「なぜあんなものを買ったのか」と自問してしまうようなお土産を売っているお店がたくさんある。筆者の友人も、出張先の千歳空港のそんなお店で、あんなお土産を買い占めた。日本各地の空港で、その地方の特産の食べ物を除いて、お土産のナンバーワンはキーホルダーかもしれない。値段が手頃で、送った方ももらった方も決して邪魔にはならず、よほど趣味が悪くない限り、しばらくは楽しめる。
一見恐そうな面構えのOさんは、そのインパクトのある小さなキーホルダーを10個も仕入れて来て一挙に職場の人気者に成り上がってしまった。「ハッピー・ホルダー」と呼ばれるその商品は、一見、ありきたりな動物をあしらった、ただのキーホルダーに見える。牛や豚、馬などの種類がいくつかあるらしい。筆者が超気に入り、略奪したモノは、美味しそうな「小太りの豚のキーホルダー」だった。これがただの豚のキーホルダーなら、話はここで終わりだが、ハッピー・ホルダーには、「芽がでる、運もつく」とありがたいお言葉がタグとして添えられている。写真と説明書きだけでは、そのアクションは即座に理解し難いが、本物を手で握っていれば、その意味は比較的明快だ。
柔らかそうなお腹を親指と人指し指で力強くつまむと、なんと、先ほどまでごく普通だった目が突然飛び出してきて、ちょうど、豚が何かに驚いたように見える。同時にお尻の部分を見ると、あまりありがたくないものがはみ出ているのが即座に理解できる。まさに「目もでる、運もつく」という表現がピッタリだ。実際に中身を分解したわけではないので何とも言えないが、どうも豚の体内には昔流行ったスライムのような物質が封入されており、指先で体を強く摘まむことで、押された圧力でスライムは逃げ場を求めて、穴の開いている目とお尻の部分に集中するらしい。かくして写真のような分かり易い結果となる。
全国の10人を越える女性にアプライした筆者のデータでは、そのほとんどの場合、ロケーションを問わず、年齢を問わず、予想通り「いやーん!」とはなるが、そのまた多くが、既に手中に収めたその「ハッピー・ホルダー」を今や返す意志の無い強い決意を固め出しているプロセスを感じてしまう。
千歳から持ち帰った友人の話しでは、出張帰りのビジネスマンのお土産の定番になりつつあり、「人気急上昇」、「売り切れ必至」なので、見つけたなら躊躇なく全てを購入するのが戦略とか……ただしウケるかどうかは、デモする個人のパーソナリティに負う所が多く、間違って引っぱたかれても責任は負えない。昔の“たまごっち”を超えるとは到底思えないが、ローカルヒットになることは確実だろう。今、札幌でこのコラムを読んでいる出張中の読者は、現在最も近い射程距離にいるはずだ。明日は一本早いJR快速「エアポート」で千歳に向かうのが後悔しない最善の策になるだろう。仕事はいつでも待ってくれるが、ブタは決して諸君を待ってくれない。健闘を祈りたい!
品名 |
価格 |
発売元 |
ハッピーホルダー |
300円 |
千歳空港内売店 |
(ゼロ・ハリ)
2001/04/26 00:00
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