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逆ポーランド記法が使いこなせなくても、なぜか惹かれるHP電卓!
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1972年のHP35の発売以来35年ぶりに再発売されたHP35s
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筆者が生まれて初めて「逆ポーランド記法」とかいう電卓に触れたのはもう十数年前のこと。サンノゼ空港から成田に向けて飛び立ったアメリカン航空が、ゴールデンゲートブリッジを越えて数分経過した時だった。出国前に近所の大型電機店の電卓売り場で見つけた「HP12」という金融電卓の外観に心を奪われ、その場で衝動買いしたモノだ。
ごく普通の電卓に見えたHP12を取り出して、機内で出張精算をしようと考えた筆者は、最初の計算を始めた段階で固まってしまった。「計算が出来ない……」。 そして、マニュアルを取り出して読み進んだところで「逆ポーランド記法」という計算方法を初めて知ったのだ。
結局、機内で出張精算の一部だけでもやっておこうと考えた筆者の作戦は見事失敗に終わり、その後10年近く我が家にあったHP12も今はない。ただ、HP電卓が持っている独特のホールド感や少し重いキータッチは素晴らしいの一語に尽きる。昨今の日本では、デザイナーズブランドを称した高価な電卓もあるが、単にパソコンのテン・キーを流用しただけに過ぎない。
そんな筆者だが、35年ぶりにHP35が再発売されるというニュースを知人から聞いた。製品名は「HP35s」。型番は似ているが、見かけはHP35とは別物だ。しかし、HP電卓のフィロソフィーは確実に生きており、実際に自宅に届いたHP35sを触った筆者の指先には初めてサンノゼのFry'sでHP12に触れた時と同じ感動が蘇った。
十数年経っても相変わらず逆ポーランド記法には馴染めない筆者だが、幸いにもサバイバルした新しいHP35sでは、「逆ポーランド記法」の逆である、一般的な電卓の入力方法を選択可能となっている。2行の表示エリアは計算式のプロセスを入力通りに表示してくれ、関数電卓素人の筆者にも快適だ。
目新しいデザインは一時的には人目を引くが、伝統に裏付けされた本当に使いやすい機能やユーザインターフェイスは、指先や手のひらを通して人の心を惹きつけるものだ。ブランドを目指すのではなく、使い勝手や便利な機能のあくなき追求で、自然と究極のブランドとなるのが本来の製品の姿だろう。大丈夫かNIPPON!?
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専用ケース付きで、ケースから取り出さずに使用できる。段の表示エリアは入力プロセスが確認できて便利だ
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独特のカラーリングとエンボスされたhp社のロゴ。伝統と真の実力が醸し出すブランドパワーを感じるデザインだ
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商品名 |
購入価格 |
購入場所 |
HP35s |
7,980円 |
株式会社ジュライ |
■ URL
株式会社ジュライ
http://www.july.co.jp/
(ゼロ・ハリ)
2007/12/04 10:49
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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