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自立する傘「Stand Umbrella」

自立する傘は、柳宗理のエレファントチェアほどの安定性はないが、確実に自立する
 人にとって「自立」というのは何か特別の意味があるのかもしれない。動物や昆虫、植物などにも「自立」という概念は存在するのだろうか。生まれた時から自立しているのが植物や昆虫で、お互いにコミュニケーションしながら、頃合いを見て、希望して、納得して、スタンドアローンするのが人の自立なのかもなれない。

 人は別にして、人が考えて創ったりした道具でも、自立することが当たり前だという前提で創ったモノもあれば、自立しなくても一向に構わないモノもあります。時には、自立しなくても問題ないと思ってつくったモノでも、時と場合によっては自立してくれた方が有り難いなぁ、なんて思う商品もあるようです。

 椅子やテーブル、バケツは普通なら自立して当たり前、旅行の大型トランクやボストンバッグは普段は自立型だが、状況によっては寝かせたり寄りかかったりする半寄生型。創られた目的の違いから、傘やステッキは常に自立を前提としない寄生型商品だと言えるのかもしれない。鉛筆やペンなども同様で、人が多く出入りし滞在する場所には必ず傘立てがあるように、デスクの上にはペン立てやペントレイが置かれている。

 人が手で持つことが利用の前提条件である傘やステッキは、自立を求めるユーザーが少ないことは認めるとして、自立できれば確かに便利なシーンもいろいろ思い浮かぶモノだ。そんな小さな、しかし確実にあるユーザーニーズを斬新で楽しいデザインで解決した商品がデザイン企業「100%」がデザインした「自立する傘」(Stand Umbrella)だ。

 自立する傘は、ブラックとホワイトの2色があり、コンビニで売っているビニール傘より少し高級で、同じくらい軽量だ。通常は尖って危険な傘の先っぽは、雨蛙の指先のような形状をしていて、傘を閉じた状態でも3本の指で自立するようにデザインされている。自立している姿は少しファニーで可愛いが、この傘をさしている姿は、周囲にどう映るのだろうか?

 自立する傘があれば、雨の日にレジで財布を取り出す時、傘を置いて傘から手を離すことができる。濡れた傘を脇に挟んで携帯電話で話しながらメモを取っているビジネスマンにも、片手が自由になるメリットがあるだろう。しかし、筆者の想像力の欠如か、今のところ、なかなか格好良い利用シーンが思いつかないのは残念だ。


傘の先っぽは雨蛙の指先かクラシックなSFに登場する宇宙人の手足のようだ 雨の日に「自立する傘」を差している姿はそれほどビューティフルではないかも……

商品名 価格 購入場所
自立する傘「Stand Umbrella」 4,200円 100%Webショップ



URL
  100%Webショップ
  http://www.100per.com/


(ゼロ・ハリ)
2007/06/25 11:02

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