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ノイズキャンセルが嬉しいWALKMAN「NW-S700シリーズ」

ノイズキャンセリング機能を搭載したNW-S706F。重量47gと非常に小型軽量なポータブルオーディオプレーヤーだ
 2年以上前に購入したiAudio M3が残念ながら故障してしまった。本体とリモコンの間で接触不良が起きたようで、リモコンの根元をグっと押さえないと曲のコントロールや液晶への表示がなされなくなってしまったのだ。修理も考えたが、最近はシリコンオーディオ市場が熱い。iAudioにはポータブルHDDとして余生を過ごしてもらうこととし、新しいポータブルオーディオデバイスとして、ソニーのNW-S706Fを新調した。

 姉妹誌AV Watchでもレビューされているが、NW-S700シリーズはノイズキャンセリング機能を内蔵したフラッシュメモリタイプのWALKMANだ。容量は1GB/2GB/4GBの3タイプが用意され、持ち運ぶ楽曲数に応じて適した容量のモデルを買うのが良いだろう。

 筆者は音響工学を学んでいるわけでもなく、かつ音質についてもさほど気にしない(というよりも細かい違いが分からない)ので、あくまで一般的に音楽を楽しむユーザとしての評価として読んで頂きたいが、まず第一にノイズキャンセリングの効果は「なるほど」と思わせるものだった。静かな屋内でボリュームを絞り込むとサー……というノイズが聴こえるが、少々ボリュームを上げたり、屋外で使う分には気にならないレベル。実際に幹線道路沿いや駅、電車内で聴いてみたが、カナル型ヘッドホンの密閉性も相まって、確かに周囲のノイズは明らかな軽減されている印象だ。周囲の音そのものは小さくなるだけでなく、ややくぐもったように聴こえてしまい最初はその音に違和感を覚えたが、しばらくすると耳が慣れていったようだ。静寂とまではいかずとも、街の雑踏や電車の走行音などはかなり抑えられるため、リスニングに集中できる上、精神的にもリラックスできる。

 その上、ボリュームを過度に上げる必要性がなくなるため耳への負担も軽減できそうだ。単品売りのノイズキャンセリングヘッドホンの場合、ユニットとバッテリーを入れる小型ボックスが付属するためわずらわしいのだが、本機はノイズキャンセリング機能を本体に内蔵しているので、専用ヘッドホンを使用するという条件は付くものの非常にスマートな仕上がりになっている。


ノイズキャンセリング機能は本体に内蔵。ヘッドホンの途中に余計なユニットが無いので全体を見てもスマートな構成 カナル型のヘッドホンは装着性にも優れている。耳の大きさに合わせてS/M/Lのイヤーピースが付属する点も配慮が行き届いている

 本体も高級感溢れるデザインで、有機ELによるディスプレイは鮮明。恐らく考え抜かれたデザインだと思うが、有機ELを覆うアクリルパネルに表示が反射され、文字が浮き出るように見える視覚効果も秀でている。再生中に表示される光が飛び交うようなアニメーションや時計表示のデザインも本体デザインとマッチしている。

 本体重量も47gと非常に軽量で、さりげなく服の胸ポケットに忍ばせたりしてもまず邪魔に思うことはないだろう。シリコンオーディオだからこそ小型化できるのだろうが、ハードディスクに比べ容量こそ少ないものの、シーク要らずでレスポンスも良好、小型化を実現したところはこの手のプレーヤーの大きなメリットだ。

 アルバムや楽曲が3ライン表示のため、検索性は他のポータブルオーディオに比べ若干弱い印象を受けるが、HDDよりも収録できる楽曲数が少ないのでさほど問題にはならないだろうか。また、このモデルより採用されたWM-Portによるパソコンとの接続、充電は専用ケーブルを用いる必要があるので、どこでも好きなときにUSBポートから充電できなくなってしまったのが若干残念ではある。しかし、そこは数多いアクセサリでユーザを魅了するソニー、ショートサイズのUSBケーブルの登場に期待したいところだ。


パソコンへの接続はWM-Portを用いる。専用USBケーブルで接続するが、オプションでショートケーブルがぜひ欲しいところだ サイズこそ小さいものの、有機ELは綺麗。映りこみによって浮き出るような視覚効果も秀でている

製品名 発売元 購入価格 購入場所
NW-S706F ソニー 27,800円 ヨドバシカメラ



URL
  製品情報
  http://www.ecat.sony.co.jp/walkman/lineup.cfm?Series=S


(古宮 創)
2006/12/08 10:58

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