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鞄の中のケータイ着信を知る、Bluetooth腕時計「i:VIRT」

個性的な専用パッケージでデビューしたi:VIRT

通常の時刻表示は2タイプを切り替え可能。常時点灯しているわけではなく、見たいときにボタンを押す動作は必要
 携帯電話の普及が始まって以来、街を歩く人の腕時計装着率は減少傾向にある。「腕時計のライバルは携帯電話」と言われたのも、今となってはもう昔の話となってしまった。

 工業国日本のお家芸だった腕時計産業は、Swatchのクオーツ技術による正確かつ低価格、幅広いバリエーションとデザインセンスに追い立てられた。ブランドやデザインにこだわりを持たなければ、すでに百均ショップの店頭にも腕時計は登場している。そこへ、携帯電話の時計機能などが追い討ちをかける。世界の腕時計メーカーは、宝飾とボーダーが曖昧な超高級路線やクラフトマンシップを訴える工芸品化、デザイナーズブランド化をはじめ、今までは考えられなかった機能特化なども含めて、個性化の道を歩み始めることとなる。

 筆者も大のファンであるシチズン時計が発売した「i:VIRT(アイ:ヴァート)」もそんな機能特化型の腕時計だ。i:VIRTは、標準でBluetooth技術による携帯電話との連動機能を実現した世界初の腕時計だ。

 ただし、残念ながらBluetooth技術を搭載している携帯電話ならどれとでも連動するというわけではない。筆者は「Bluetoothの生みの親」である北欧ノキア社のVodafone版である702NKIIを愛用しているが、なぜか「i:VIRTの対応機種一覧」には見あたらない。しかし、実際にノキアで使ってみると、いろいろ不具合もあるが、概ね動作した。

 携帯電話ユーザーなら誰でもできるか、というと多少の疑問も残るが、使い方は簡単だ。説明書に沿って、まずBluetooth機能搭載の携帯電話とi:VIRTをペアとなるように設定し、携帯電話側から電話帳を転送する。半角文字混じりや全角8文字以上のタイトルは不具合が起こることがあるので、事前に携帯電話側で修正することが望ましい。

 マナーモードに設定した携帯電話に着信があると、そのシグナルがi:VIRTに転送され、発信人情報が表示される。要不要に応じて、着信を保留したり、回線切断などの処理をi:VIRT上のボタンで選択できる。もちろん、保留処理はその後、実際のケータイ電話を取り出し再接続して会話を行なうための前操作処理だ。

 バッグやコートのポケットに携帯電話を収納しない場合でも、会議中や食事中でも、携帯電話を取り出すことなく、着信の有無や応答するか否かの判断ができることは大きなメリットだ。しかし、彼女と食事の最中に頻繁に腕時計を見る動作は別の問題を引き起こしそうなので、それはそれで注意が必要なことは言うまでもない。

 i:VIRTはペアとなっている携帯電話への着信を、着信音ではなく、腕時計のバイブレーションで知らせるために、それなりのバッテリーを消費する。i:VIRTへの充電は、専用のドッキングステーション方式のアームに乗せるだけで可能なので、帰宅後はケータイ電話とお揃いで、仲良く充電タイムとするのが良いだろう。


なぜかBluetooth生みの親のノキア社製携帯電話は対応機種リストから外れている 専用クレードルによる非接点充電は帰宅後、簡単に充電操作を行なえる

 Bluetooth技術搭載の携帯電話では、今のところ最大のアプリケーションであるハンズフリー会話をサポートするヘッドセットとの共存ができないことが気に掛かる。将来的には、着信の処理選択を行ない、実際の会話をi:VIRT内蔵のマイクとスピーカーで実現できることが理想だろう。Webをしっかり読まない筆者の友人の中にも、そういうことができるのがi:VIRTだと誤解していた人が居た。

 ペアに設定されているケータイ電話とi:VIRTは、一定の距離(10m強)以上離れると、自動的に切断され、腕に装着しているi:VIRTから警告振動が発せられる。Bluetooth機能搭載のケータイ電話を大事な鞄に収納して連動設定しておけば、置き引き防止の役にも立つだろう。しかし、再リンクには人間の手によるマニュアル操作が必要であり、処理を忘れると、それ以降、ケータイへの着信を知ることができなくなってしまうので注意が必要だ。

 i:VIRTは、パッケージ内に「ケータイストラップ」が付属しているように、携帯電話と敵対する関係ではなく、携帯電話と連動する道を選択した新しい立ち位置の商品だ。今後も腕時計メーカーからのアプローチは続くかもしれないが、今後は、携帯電話メーカーからのアプローチも必要だろう。すでに日本の人口近くに達した携帯電話も、永遠の右肩上がり商品ではなくなっている。i:VIRTはそんな未来市場を考えるトリガーとなる本日の一品だ。

商品名 購入価格 製造元
「i:VIRT」TM84-0291(BLACK Type) 27,000円 シチズン時計株式会社



URL
  「i:VIRT」専用サイト
  http://citizen.jp/ivirt/
  「i:VIRT」対応機種一覧
  http://citizen.jp/ivirt/taiou.html


(ゼロ・ハリ)
2006/07/18 11:00

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