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専用ホルダーとの組み合わせが楽しいペン「ヨルグ・イゼック」

ヨルグ・イゼックのミニ・ボールペン。専用ホルダーに収納した状態

ヌメっとした感覚で引き出す。クリップがないので転がりやすい
 ベルリン生まれのデザイナー、ヨルグ・イゼック氏はロレックスやカルティエ、ティファニーなど、多くの有名ブランド腕時計のデザインを手がけ、腕時計ファンにはよく知られているらしい。そんな彼がデザインした万年筆やボールペンが、昨今のステーショナリーブームで注目を浴び始めた。機能を全うした上でのアーティスティックなデザインや、適正素材の使用センスは、いままでの伝統的な筆記具の世界とは異なるアプローチが見えて、それはそれでなかなか楽しいものだ。

 ヨルグ・イゼック氏デザインの筆記具はそこそこ個性が強く、値段もそれほど安い商品ではないので、どこのお店に置いても売れるというわけではなさそうだ。筆者の知っている限り、銀座の伊東屋、丸の内オアゾの丸善内の専門店、新宿伊勢丹Men's館、銀座のバーニーズニューヨークなどで見かけた記憶がある。一部の例外を除いて、単なる字を書くだけの筆記具としてだけではなく、ファッションアイテムとしてのニーズもありそうだ。

 外観に「金属」素材を使用した万年筆やボールペンと「革」とのコラボレーションは過去からよく見かける構図だが、ヨルグ・イゼック氏の徹底したアプローチは、そうすることが大前提でデザインされた感覚が強い。高級な筆記具には、専用のペンケースがつきものだ。ヨルグ・イゼック氏の筆記具は、ペンだけでなく、専用にカスタマイズされた革ケースとの組み合わせが楽しめる。

 店頭で大小2種類のボールペンを試した結果、筆者は、全長140mmの標準サイズではなく、121mmのミニボールペンを選んだ。長さ121mm、軸の直径12mmのコンパクトサイズだ。ただし、ボールペン本体の軸の中央が一番太く両端に向かって細くなる個性的な仕様では、長さ140mm、軸の直径14mmの標準サイズペンは、ごく標準的な手のサイズの筆者にもかなりごつく、重く感じられた。

 ペンの外観カラーもスタンダードなブラック、シルバーに加えてカーボン製のモノ等が用意されている。もちろん、カーボンには目のない筆者は、少し値段は高いが問答無用でカーボン製のモノを選択した。コンビネーションする専用革製ペンケースだが、いろいろな色を組み合わせてみて、結局、比較的オーソドックスな「イエロー・ゴート」に落ち着いた。

 使い始めてほぼ1カ月が経過したが、ヨルグ・イゼック氏のボールペンは持つ喜びを感じさせてくれることは間違いないだろう。クリップ付き専用革製ケースにペンを抜き差しする時に指先が感じるタイトな感覚は抜群だ。唯一気になる点は、一筆書きのようにスラスラと記述するアルファベット文字と異なり、漢字を書く日本人は紙の上でペン先の離着陸が多発する。そんな特徴を持つ漢字を記述するには、ペン先の小さな「ガタつき」が少し気に掛かる。

 また、専用ケースから取り出したペン本体を、机上に何気なく置いた時に、転がり防止の役目も果たすクリップのない本体は、運が悪いと自走して床にダイブする危険性がある。考えられたデザインを大きく損なうことなくこれらを見事に解決できれば、実用面でも素晴らしいボールペンとなるだろう。


ゴートのホルダーとカーボンの模様のペン本体のコンビネーション 一番短く、一番太い、ヨルグ・イゼックのミニ・ボールペン(最も手前)

商品名 価格 購入場所
ヨルグ・イゼック
ミニボールペン+ホルダー
約45,000円 銀座 伊東屋



URL
  ヨルグ・イゼック ミニボールペン+ホルダー製品情報
  http://www.jorghysek.com/introhome.html


(ゼロ・ハリ)
2006/01/26 11:00

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