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“生きた化石”カブトエビを育ててみよう
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カブトエビ研究所。対象年齢6才以上! 漢字にはふりがなもついているから安心だ
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パッケージの中身。卵は砂の中に混ざっている。カップ麺のかやくとよく似ているので間違えないように
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みなさんは「カブトエビ」という生物をご存知だろうか。体長2~3cmで、おたまじゃくしからヒゲと足が伸びたような形をしており、日本では水田で見られる。足で泥をかきまわすために雑草が根付きにくく、「田の草取り」と言われて重宝されているらしいのだ。エビやカニと同じ節足動物門に属するが、分類上はミジンコ類と近縁だという。目が3つあるので「トリオップス(Triops longicudatus)」とも言うらしい。実はこいつ、約2~3億年前からその姿をほとんど変えることなく、今もなお生息しているため、「生きた化石」なのである。
「生きた化石」、なんてシビれる響きだろうか! と思う人がどれくらいいるか、わからないが、少なくとも筆者のハートを刺激してやまない。生まれて初めて知った生きた化石は「シーラカンス」だが、「カブトガニ」も有名だ。「億」という単位の年を経てきた生物。自分の年齢を振り返ってもクラクラするのに、何億年だなんてまるで想像することができない。が、そこがまたいいのだ。
残念ながら、シーラカンスやカブトガニは飼育できないが、「カブトエビ」なら飼育できるのだ。しかも家庭で。もしかしたら小学生の頃に飼育したよ! なんて方もいらっしゃるかもしれない。筆者もそうであったが、成長させた記憶がないのである。おそらくちゃんと世話ができずにあっさり忘れ去ってしまったのだろう。そんな過去を持つ筆者がフト近所のラオックスを覗いていたところ、ワゴンの中に発見したのが「カブトエビ研究所」。なぜラオックスにカブトエビが!? と思いつつも、小学生時代のリベンジに燃えて即購入した次第だ。
箱の中には水槽とカブトエビ(アメリカカブトエビ)の卵、エサ、栄養、ウッドチップが入っている。1日汲み置きしてカルキ抜きした水道水を水槽に入れ、説明書に従ってウッドチップ、栄養の順に入れていく。最後にカブトエビの卵を投入したら蓋をして、孵化を待つだけだ。
説明書によると翌日、遅くとも2~3日中には孵化するとあるが、筆者の場合、数時間後には1mmにも満たないサイズの白く動く幼生を確認できた。その後、数匹孵化したが、孵化しては姿が見えなくなりを繰り返し、3日後に孵化した1匹が最後に残った。非常に早い速度で脱皮を繰り返し、1mmもなかったものが1週間後には1cm近くに成長。カブトエビらしい姿を見せてくれたのである。足で砂をかいてはゴミを巻き上げ、エサを与えると抱え込むようにして食べる姿を観察することができた。
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手順に従って準備をしよう。あとは孵化を待つだけだ
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カブトエビは雌雄同体性で、1カ月半~2カ月の寿命しかなく、生後1カ月くらいで卵を持つらしい。その卵を乾燥させれば、再び飼育ができる。このようにカブトエビの卵は乾燥しても水さえあれば孵化できるため、厳しい環境を乗り越えることができたようだ。
しかし残念ながら筆者のカブトエビは卵を抱くほどに成長することはなかった。汚れてしまった水を交換する際に刺激を与えすぎてしまったようで、気がついたら死んでいた。別のカブトエビが5mm程度になった頃も興味深々で水槽を持ち上げていたら、水の揺れが強すぎたようで数時間後には死んでいたこともあった。2億年を生き抜き、自然の田んぼに生息するなら、多少の刺激には強いだろうと勝手に思い込んでいたのだが、実はかなりデリケートな生き物らしい。成体になったカブトエビに出会うまではチャレンジしてみたいと思うこの頃だ。
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カブトエビの幼生とエサ。この頃は大きめのカブトエビと小ぶりのカブトエビが1匹ずついたが、なぜか大きな方が死んで、小さいほうが生き残った。両者が遭遇すると大きなほうが逃げていたのも興味深かった
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1cmほどに成長したところ。足で砂をかいて、ゴミを巻き上げているのが分かる。
この手の見た目を持つ生物は、好き嫌いが分かれるところだろう
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品名 |
発売元 |
購入価格 |
購入場所 |
カブトエビ研究所 |
トミー |
898円 |
ラオックス |
■ URL
製品情報
http://www.tomy.co.jp/kenkyu/triops/products.htm
(すずまり)
2005/09/06 11:00
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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