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また夢に一歩近づいた、ぺんてるの「airpen」

このバインダー1つに携帯電話さえ入れておけばビジネスは万全?
 筆者は、今から7~8年前、某万国事務機器公司というIT&サービス総合企業に勤めていた。当時、手書きの文字と、ITの代表選手だったパソコン間でデータの親和性を改善・向上する「CrossPad」(クロスパッド)という製品の国内での商品企画に参加したことがある。クロスパッドは、名前からもわかるように、ボールペンの老舗である米Cross社との共同開発・企画商品であった。1998年頃にはOffice Depotをはじめとした全米の文具店で販売され、かなり話題になった商品だ。

 クロスパッドは、筆圧で動作するスイッチ付きの特殊なボールペンで、専用パッドの上に乗せたごく普通のメモ用紙に書いた筆跡をデジタル座標でパッド内メモリに数十ページ分を蓄積することができた。書いた後に、筆跡ファイルをパソコン側にケーブル転送し、BMP画像などで表示する仕組みを実現した、当時としては画期的なアナログ・デジタル統合ビジネスツールと言えるだろう。一昨年あたりからノキア社を中心に市場展開している北欧のAnoto社の製品によく似ているが、特殊な専用紙を使用するか否かによって一見似た2つの製品が併存する。また製品哲学によってその目指すところが、多少異なるところも興味深い点だ。

 当時から、漢字の画数やその形状が複雑な日本では、文字情報を単なる画像として保存できるだけでも、ミーティング議事録やデザイン画などの保存・活用にとっては有意義であると判断されたが、アルファベット圏の多くの国では、もっぱらその目指す方向は、文字認識による、膨大な手書き蓄積文章からのキーワード検索であった。

 しかし、文字認識を除外した国内のビジネス活用でも、多くのビジネスマンの期待に反したのは、パッドその物の重さであった。筆者の記憶ではパッド単体だけでも700g近い重量があり、当時モバイルPCを携帯していた先進ビジネスマンにとっても、追加の700gは実用的限界を超えていた。


ベースボードをバインダーから外せば一挙に軽量に! メモリーユニットとペンだけならアンダー100gのモビリティ! 近々、この2アイテムの専用ケースを誂えるつもりだ

 イメージ的には、クロスパッドとほぼ同じアーキテクチャを採用して2004年秋に発売されたぺんてる社の「airpen」(ストレージノート)は、当時、一番問題だった「携帯重量」を大きく改善した点を評価したい。またデータリンクのアプリケーション設定で、用紙サイズを指定・変更可能であり、専用紙を必要としない設計を採用している。コピー用紙の裏側を使った一時的なメモでもデジタルメモとして活用できる地球に優しいメリットは大きい。

 専用パッドを必要とするAnote社の製品と比べ、さまざまな用紙に対応するairpenは、生産性アップに繋がり、かつ楽しめるパーソナルなITツールに仕上がっている。標準で付属している大きなビニールのバインダーについては、要・不要の意見が分かれるところではあるが、最低限持ち歩く必要のあるデジタルペンとメモリーユニットの両者で100gを切る重量を実現したことは、従来この手のデジタル文具を敬遠していたビジネスユーザにも朗報だろう。

 なお、基本的には専用紙を必要としないテクノロジーではあるが、標準添付のA5版のベースボードがぺんてる社発売のノートパッドのサイズに厳密にアジャストされている点や、自由な太さの物理的なペン先を選択できないなど、気になる点もまだまだ多い。しかし、同様の製品が多く発売される中、ぺんてる社のairpenは、モバイルワーカーに推奨できる「本日の一品」だ。


A4リーガルパッドにクリップして使うのが筆者のスタイル

製品名 価格 購入場所
ぺんてる「airpen」 25,600円 秋葉原 ぷらっとホーム



URL
  airpen製品情報
  http://www.airpen.jp/
  ぷらっとホーム通販サイトの「airpen」特集
  http://www.plathome.co.jp/camp/airpen/index.html


(ゼロ・ハリ)
2005/01/28 11:03

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