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PDAケータイの先駆モデルとなるか? 「Vodafone 702NK」
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新しいデザインのようでオールディーズ。国内製品にはあまり見られない「ホッ」とするプロダクトデザインだ
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携帯電話の買い換え頻度がもともと高い筆者だが、最近ノキア製の「Vodafone 702NK」に買い換えた。ノキア製品に触れるのは、ノキアが2003年9月に発表したメダリオン以来だ。その前は、1999年にドコモが発売した、IBM製WorkPadと赤外線ポート経由でインターネットアクセス対応、スライド型カバー型のNM207だった。
製品発表後、ノキアのWeb販売サイトで即座に予約したものの、「ソフトウエアの機能拡張」という、いまひとつよくわからない改良のためにしばらく出荷停止となり、結局、実際の製品を手にしたのは12月初旬の有楽町ビックカメラの開店後すぐの店頭だった。
同じ日、同じ時刻に、同じレジの列に並んで同じ携帯電話を購入していた層は、ほぼ100%がビジネスマン風だった。店頭では、まだ「ソフトウェアの機能拡張」が100%ではないなど、あまりすぐには影響なさそうな技術的免責事項を説明していたが、購入者の多くは「POP3のメールを見られれば良いので、細かいところはあまり気にならない」といったような答えをしていたようだ。
携帯電話文化においては、日本が特殊なのか、ノキア社が特殊なのかはさておき、702NKはそのユーザインターフェイスにおいても、メニュー配置、機能など、国産の大方の携帯電話と異なる点が多い。良し悪しではなく、国内メーカー製の携帯電話を使っていた身には目新しいことが多いのだ。この点については、まだまだケータイの機能がシンプルだったNM207の頃と比較して大きく違うところだ。
多くの702NKユーザーにとっては、「POP3メールの送受信機能」や「初期のPDAに近い表現力」、そしてスケジュール、ToDo、メモ等の「Outlookとの連携機能」がこの端末の魅力だろう。また、BlueTooth機能による周辺機器との近距離ワイヤレス接続も、機能的メリットとして挙げられる。
Bluetooth対応ではないThinkPad X40を日夜活用している筆者は、プラネックスのBluetooth USBアダプタを購入し、快適に702NKとのワイヤレス連携を活用できている。毎日Outlookを活用しているビジネスユーザーにとって、702NKは購入した日から追加投資ゼロでPDA的に活用できる高機能端末だ。液晶画面の解像度は最新の国産携帯電話と比較すると見劣りするが、そのPDA的表現力は、手慣れたセンスや表現の工夫で、実用上さほど不満なく仕えるよう仕上げられている。イメージ的には初期のPalm PILOTクラスだろう。
POP3メーラーの使用はパケットフリーの定額の適用対象ではないことや、Symbian OSの起動に多少時間がかかること、アプリケーションの1回目の起動にワンクッションあったりなど、少々気になる点もあるが、PDAと携帯電話の良いところを集積した分、その悪い面を共有することもある程度はやむを得ないのかもしれない。多くのアプリケーションを同時に起動すると、「メモリーが足りない!」とオーナーに泣きついてくるところもどこかPC的で、長年Windowsの不甲斐なさに付き合ってきた心の広い人にとっては愛嬌だ。
こうした点の解決は今後の課題と言えるだろう。ただ、常時モバイルPCとPDA、携帯電話、そして筆記用具一揃いを持ち歩いていた筆者にとって、PDAと携帯電話の将来的な統合の方向性が見えたという点だけでも、大きな意義のある製品であることは間違いない。依然としてIT先進国であり続ける米国での例を見るまでもなく、今後日本においても、PDAと携帯電話との拡張統合が進められることは間違いないだろう。携帯電話は、15年前のパソコン領域に近づきつつある。
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初期のPalmPILOTを彷彿とさせるスケジュール(週間ビュー)画面
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BlueTooth機能の活用で可能となるワイヤレス接続は快適だ。電話帳管理やOutlookとの同期連携、壁紙の送り込みもOKだ
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製品名 |
購入価格 |
Vodafone 702NK(Nokia 6630) |
15,000円程度 |
■ URL
「Vodafone 702NK」製品情報
http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v702nk/
(ゼロ・ハリ)
2005/01/20 11:13
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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