修正した痕跡が誰にもわからない現代の秘密兵器「パソコン」でものを書くことに慣れている筆者は、ペンを使って自分の手で書いた書き物に間違いが多い。鉛筆やシャープペンシルなら修正も簡単だが、ペンやボールペンならそうもいかない。こういう時、オフィスや学校で役立つのは「修正ペン」だった。修正ペンの弱点はホワイトインクを修正個所に塗りつけることで間違いを隠すが、速乾性と言っても多くの場合、完全乾燥までにそこそこの時間が必要だ。おまけに塗りムラがあったりすると、その修正個所の上に正しい文字を再度書くのにエライ苦労をすることがある。何度か修正を繰り返すうちに、修正個所が山のような標高を持つという結果にもなりかねない。
こういう不器用な筆者のようなユーザーのために、修正用の粘着テープも発売されている。しかし、白い幅の細い粘着テープだけを修正個所に正確に張り付けるのは至難の技なので、実際には片手で握って確実に修正箇所をトレース可能なツールが付いている。残念ながら従来の製品はメカニカルに深く研究されておらず、右利きの人には問題なくても左利きの人には扱いにくい製品になってしまったり、縦方向に修正テープを貼ろうとした時に、修正箇所を確実にトレースしようとすると、アクロバットのような持ち方で対応しなければならないといった問題点があった。
シード商事株式会社の発売する「ケシワードIV」は、修正粘着テープを送り出しつつ修正箇所に張り付ける先端のヘッド部分に、最大180度回転するヘッドを搭載。任意の位置でヘッドを固定できる。このアイデアにより、右利きの人でも左利きの人でも、横書きでも縦書きでも非常に柔軟な対応が可能になった。粘着テープを送り出す内部のメカニカル構造や、ギアのカラーリングも素晴らしく、ついつい修正個所にヘッドを当てて、スルスルと修正テープが粘着していく様子に見とれてしまう。修正テープを使い切ってもリフィルが発売されているので安心だ。
(ゼロ・ハリ)
2000/08/14 00:00
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