「ポスト・イット」が、米3M社の登録商標であるのは有名だ。米国の大型文具のチェーン店で束にして安価に売られているポストイットの多くは、トレードマークの黄色い奴だ。しかしiMacのブーム以来、日本でもパソコンから風呂桶まで、テーマカラーを揃えることの大好きな日本人を対象にしたモノが、あらゆる産業界から供給されるようになった。通常スケルトンやトランスルーセントと呼ばれるキャンディーカラーのグッズは、単体で見ると魅力的に感じる場合が多いが、実際に生活環境に取り込んで周囲に自然に馴染むようにするには、ちょっとしたセンスも必要で、なかなかハードルが高い。買う時は勢いで買っても、2~3年経つと、2度と見たくないただの粗大ゴミになる可能性も大きい。ちょうど、修学旅行でなぜか自分用に買ってしまったお土産のようなモノなのだ。
ポスト・イットの世界でもトランスルーセントブームに乗っかろうと、カラフルなポスト・イットが発売されている。オレンジやブルー、イエロー等のトランスルーセントなプラスティック・ディスペンサーに同系色の再使用可能なポスト・イットが50枚封入され、簡単にユーザーが一枚一枚ポップアップ形式で取り出せる便利な仕組みになっている。全てのポスト・イットを使い終わったら、全体を買い直すことなく、詰替用リフィルだけでも購入できる。経済性にも優れた新製品なのだ。リフィルを購入の際には、オレンジのディスペンサーにグリーンのリフィルを入れたりもできる。カラーの組み合わせを考えているだけでも、しばらくは楽しそうだが、一通りの組み合わせを堪能した後は、なぜか妙にただの黄色いポストイットが新鮮に見えるものだ。『そろそろトランスルーセントにはご注意』が2000年夏の合い言葉かもしれない……。
■ URL
住友スリーエムのホームページ
http://www.mmm.co.jp/
(ゼロ・ハリ)
2000/08/09 00:00
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