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秋の夜長を8盤プレーヤーで楽しむ
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一見して普通のアナログプレーヤーだが……。ドーナツ盤のアダプタが懐かしい!?
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2003年秋に発売された「8盤プレーヤー」は、発売前からテレビなどでも取り上げられ、マニアックな業界人の間で話題を呼んだ。筆者は発売日に原宿のキディランドで購入したものの、今年の6月末まで自宅で冬眠状態となっていた。プレーヤーの発売日に同時発売された「ハクション大魔王」や「赤影」ジェネレーションではなく、「おニャン子クラブ」世代でもない筆者がずっと発売を待っていたのは、なぜか発売が大幅に遅れた「オールディーズ The Best」だった。
「8盤プレーヤー」は、すでにご存じの方も多いと思うが、昔のアナログシングル盤のイメージで作った「直径約8cmのアナログ片面音楽レコード」を再生する乾電池駆動のミニチュア・プレーヤーだ。
当然、アナログレコード世代でもある筆者の自宅には押し入れに押し込まれた200~300枚のLPレコードがあるが、今やそれを再生できるアナログプレーヤーは自宅にない。なんといっても、アナログレコードはスペースが問題なのだ。
しかし、サイズは小さくても、CDやDVDオーディオの時代になって便利にはなったが、逆に風情がなくなったと感じる人も多いことだろう。フタを閉めれば音楽が自動的にスタートするCDメディアとは異なり、音楽を聴くまでに、多くの面倒なプロセスが必要なアナログプレーヤーにもそれなりの情緒があり、それはそれで貴重な体験なのだ。
「8盤プレーヤー」はそんな昔の雰囲気を小さなスペースで再現できる新しい「レトロ・プロダクト」なのだ。とすれば、すでにCDジェネレーションに入ってからのアーティストの曲をアナログレコードで再発売するのはやはり不自然だと思えてならない。
筆者は、女性歌手ジョニー・ソマーズの歌う「ワン・ボーイ」を確実にゲットするためだけに「オールディーズ The Best」の全レコードが1パッケージになったBOXモノを発売日に即購入した。外装の安っぽいビニール袋をはじめ、当時のシングルレコードのイメージをほぼ忠実に再現したミニチュアEP盤レコードの出来は秀逸だ。たった1枚のレコード再生のために、足かけ2年に渡って投資した約1万円は高価だが、程度の良い中古レコードを探してもほぼ同額は必要だろう。
過去のコンテンツをデジタル化して長く歴史に残すのも、物理的にサイズを小さくしてアナログのまま残すのも、それぞれが素晴らしい試みだ。秋の夜長、たまにはCDやDVDのパワーを落として、「8盤プレーヤー」のともすればごくわずかに感じる不確かな回転数を気にせず、レコードをターンテーブルに載せて、回転し始める盤の外周にトーンアームを静かに降ろすプロセスを楽しんでみてはどうだろうか。
その一瞬、自分が何にも考えていないことに気がつくだろう。“無意識”にトレーにCDを載せて聞くデジタルミュージックと、ターゲットの外周に細心の注意を払いながら“無の境地”でトーンアームを降ろすアナログミュージックには大きな隔たりがあることに気がつくだろう。きっと晩秋は、8盤プレーヤーで聴くベン・E・キングの歌う「スタンバイミー」で夜が更ける。
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交換針も発売されている。昔はSMEのロングアームが好きだったが、短いのもナカナカだ!
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この16枚を聞くために、ジョニーソマーズを聞くために足かけ2年!
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製品名 |
価格 |
8盤プレーヤー 「オールディーズ The Best」 |
3,129円 単価367円(全16種) |
■ URL
8盤プレーヤーをまだ販売している楽天内ショップ「トカゲのしっぽ。」
http://www.rakuten.co.jp/tokager/270925/270926/282320/
(ゼロ・ハリ)
2004/09/06 10:58
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